「銀行員に簿記は必要なの?」
「効率的に勉強する方法を教えて」
「銀行簿記の仕訳のやり方は?」
そんなお悩みにお答えしていきます。
銀行簿記って聞いたことがあるけど、どのような内容なのか分からない方も多いのではないでしょうか?
銀行では預金口座を通して帳簿付けを行うため、少し特殊な仕訳を行います。
日商簿記の知識があれば対応できるので、銀行員は簿記を学んだほうが良いでしょう。
そこで、この記事では
- 銀行員が簿記を学ぶべき5つの理由
- 簿記のおすすめ講座
- 銀行員におすすめな簿記以外の資格
- 銀行簿記の概要
- 銀行簿記の仕訳は会社と逆なのか
- 銀行簿記以外の簿記
と、銀行員の簿記に関することについて全て解説します。
ぜひ今回の記事を参考に、銀行簿記の内容を理解し学習しましょう!
Contents
銀行員は簿記を学ぶべき!5つの理由を紹介
銀行で働くにあたって、簿記を学んだほうがいいのか気になりますよね。
簿記を勉強するとどんなメリットがあるのかを解説していきます。
- お客さんから信頼を得られる
- 法人融資渉外担当や融資・審査部門でプラスになる
- 他の資格と相性がいい
- 昇給や出世に繋がる
- 経理や会計職に就ける
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
1.お客様から信頼を得られる
銀行員はお客様とたくさん会話をする必要があり、経営者の方とも話をするため教養が必須です。
簿記の勘定科目が分からないと、経営の話しをしたり財務分析をしたりする際に支障が出る可能性があります。お客さまに不信感を与えるリスクが高いです。
そのため、簿記は信頼してもらうために必要最低限の学習だと言えるでしょう。
スムーズにお客さまと対話できるといいですね。
2.法人融資渉外担当や融資・審査部門でプラスになる
企業財務を理解し、お客様に対して企業価値向上に繋がる意見や提案ができるようになります。
銀行員の仕事は預金や貸金だけでなく、投資信託や各種保険の提案や販売も実施。
地域住民に対して、金融に関する様々な問題や悩み事について相談を受けたり、グループ企業や提携する専門家の紹介を行ったりすることもあります。
企業に対して、資金調達や事業発展の経営コンサルティングなど業務内容は幅広いです。
より深い業務知識が求められるため簿記や会計の知識を持っておくと、業務内容の理解が深まり有利に仕事が進められるでしょう。
3.他の資格と相性がいい
簿記は会計の基礎が学べるため、他の応用資格の土台になります。
基本的な知識があると勉強がスムーズに進むため、資格にチャレンジしやすいです。
ファイナンシャル・プランニング技能士や中小企業診断士など、銀行員におすすめな資格との相性が特に良いので学んでおいて損はないでしょう。
4.昇給や出世に繋がる
簿記の資格を持っていると昇給する可能性が上がります。
昇進や昇格を判断するのは人事部や直属の上司です。
資格取得を促す人事部は直接業務を確認できないので、試験に合格するとスキルアップしたと判断するでしょう。
出世するかしないかで年収は大きく変動します。簿記を勉強すると自分の知識になるだけでなく、昇給のきっかけにもなるのでお得です。
学習意欲があるとみなされ社内での発言力も増すでしょう。
5.経理や会計職に就ける
会社の中枢を担う経理や会計部門で働けるようになるでしょう。
これらの部署は経験が重視されますが、未経験でも資格を持っているとスキルをアピールして異動できる可能性があります。
その他に、仕事がつらくなった時に簿記の資格を活かして転職がしやすいです。面接で評価され、年収アップや好条件で採用される可能性もあるでしょう。
銀行員が簿記を学ぶのにおすすめな通信講座
簿記は独学でも取得できますが、忙しい銀行員は通信講座でサクッと取得するのがおすすめです。
また、仕事で役に立ったり評価されたりする2級の取得を前提に解説していきます。
- スタディング
- クレアール
- キャリカレ
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
1.スタディング
簿記3級・2級セットコース [2022年6月~2023年2月検定対応版] |
22,000円(税込) |
簿記2級合格コース [2022年6月~2023年2月検定対応版] |
19,800円(税込) |
簿記3級合格コース [2022年6月~2023年2月検定対応版] |
3,850円(税込) |
基本的な内容を短期でインプットし、問題演習を繰り返してアウトプットするのが重要になります。価格が安く始めやすいですが、質問サービスがないので学習に不安のある方は要注意です。
スタディングについての詳しい口コミなどは関連記事で解説しています。「【1級開講】スタディング簿記講座(旧:通勤講座)の評判とは!テキスト・講師・価格の口コミを紹介」ぜひ参考にしてみてください。
【ぶっちゃけ】STUDYing(スタディング)簿記1級の評判とは!通信講座の良い&悪い口コミを紹介【旧:通勤講座】2. クレアール
2022年2月目標3級パックWeb通信 | 14,800円 10,064円(3月割引) |
2022年2月目標2級パックWeb通信 | 53,000円 36,040円(3月割引) |
2022年6月3級・2級目標講義パックWeb通信 | 50,000円 34,000円(3月割引) |
※価格は入学金、教材費、消費税、送料込み
クレアールは、合格必要得点範囲を短期間で確実に勉強できる「非常識合格法」を採用。簿記学習にかかる勉強時間や学費の負担を軽減するテキストを提供しています。さらに、マルチデバイスに対応したVラーニングシステムで快適に学習できるでしょう。
日々の学習のフォローアップを必要に応じてオンデマンドに行えるシステムです。
質問サービスに対応している資格講座の中では最安値です。時期によって割引価格が異なるので注意しましょう。
クレアールについての詳しい評判は関連記事で紹介しています。「【徹底分析】クレアール簿記通信講座はコスパが良いと評判!講師・テキスト・価格の口コミを紹介」確認してみてください。
【徹底分析】クレアール簿記通信講座はコスパが良いと評判!講師・テキスト・価格の口コミを紹介3.キャリカレ
簿記3級・2級(日商簿記) | 37,400円(税込) |
資格のキャリカレは、90日で3級と2級のダブル合格、資格取得後の就職・転職や独立開業までサポートしている通信講座です。
わかりやすさにこだわったテキストと合格率を高める問題集などの副教材が充実しています。
試験を受けて不合格だった場合は受講料を全額返金してくれるので、学習に不安を感じる人でも受講しやすいですね。
合格すれば2講座目が無料になるので、さらなるステップアップに繋がるでしょう。
銀行員の仕事に役立つ簿記以外の資格
簿記が重要であることは説明しましたが、銀行員の仕事に役立つ資格は他にもあります。
- TOEIC
- ファイナンシャル・プランニング技能士
- 銀行業務検定
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 税理士
- 中小企業診断士
それぞれ解説していきます。
1.TOEIC
TOEICはどの業種でも求められる汎用性の高い資格ですよね。銀行員では700点ほどが平均水準とされています。
大企業の就活では、800点〜900点の高いスコアを求められることもあるでしょう。
メガバンクでは、海外拠点にいるお客さんと英語で直接やり取りしたり、お客さんの審査をするための資料が英語だったりします。英語が使えないと苦しく感じるかもしれません。
しかし、点数が満たない場合でも就職できないというわけではありません。
中小企業の銀行ではグローバル展開しているお客さんは少ないです。英語が使えると先輩から頼られるなど戦力になるでしょう。
2.ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャル・プランニング技能士は、幅広い金融知識を使って資金計画や資金運用へのアドバイスを行います。
金融に関する基本的な知識が得られるので、ほぼ必須と言えるでしょう。
3級しか取得していない場合は評価の対象になりにくいため、銀行の就職や転職では2級以上が必要です。
採用時に必要というわけではないので、入社してから取得する方が多数。
しかし、入社後は仕事が忙しくなるため、入社前に業務知識を深める勉強をしておくのがおすすめです。
3.銀行業務検定
銀行業務検定は、銀行で働く上で必要な基礎知識や技能、応用力などを図るためのものです。
銀行に入行すると資格取得を勧められるでしょう。
- 財務
- 税務
- 法務
- 証券 など
上記のような、23系統36種目から出題され、習熟度が分かる試験になっています。
銀行員として働くうえで欠かせない知識なので、入行前に勉強しておくと良いでしょう。
4.宅地建物取引士(宅建士)
宅地建物取引業に基づいた国家資格で、宅建と呼ばれることが多いです。
宅建には不動産売買や仲介などの独占業務があります。
銀行業務で住宅ローンや不動産の評価をすることもあるため、宅建を持っていると重宝されるでしょう。
不動産業者の方と接する際に、知識を持っていると信頼されやすくなります。
また、人事考課でプラスに働いたり、給与アップに繋がったりするかもしれません。
宅建士の資格を活かして他の銀行や、不動産業界などへ転職の可能性も広がるでしょう。
5.税理士
銀行員として働くことで税理士試験の受験資格が得られるのでおすすめです。
銀行業務では税理士に関連する業務が多くあり、決算処理に関する事務や仕訳処理、財務諸表の作成などに役立つでしょう。
企業の買収や合併の仲介などを行う証券会社や投資銀行、法人向けの組織改編のためのコンサルティング業など幅広い業務で力を発揮できる可能性が高いです。
とても専門性の高い資格なので難しいですが、メリットはたくさんあります。レベルアップしたい方は取得を検討してみてください。
6.中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業が抱えている経営課題に対し、適切なアドバイスや指導を行い健全な経営状態に導く専門家です。
銀行業務で中小企業への融資を行うかの判断ができるようになります。他の銀行員との差がつくスキルを発揮できるようになるでしょう。
また、営業担当では企業に合った金融商品の紹介し販売しやすいです。独立して中小企業診断士になれるので、自分の価値を高める資格といえるでしょう。
そもそも銀行簿記とは!概要についてサクッと解説
銀行簿記とは、銀行業で使われている複式簿記のことです。
全ての取引について預金口座を介して帳簿に記録していきます。
預金を負債の部に記載する独特の処理をするため、注意が必要です。
一般的な簿記とは異なる特徴がありますが、日商簿記の基礎知識があれば十分に対応できます。
簿記2級程度の知識を取得した段階で銀行簿記に取り組めば、スムーズに銀行簿記の技術を取得できるでしょう。
銀行簿記の仕訳は会社と逆なのか
なぜ、銀行簿記は企業簿記とは違ってややこしいと言われているのでしょうか?
銀行の預金業務の仕訳では預金は貸方負債側に計上され、企業簿記とは逆の仕訳になるからです。
逆と言っても実際の意味は異なります。
預金の場合を考えると、預金者からは預け金(債権)になりますが、銀行は預り金(債務)になるので貸借が反対になるのは当然のことです。
銀行側の仕訳では、現金/当座預金になります。
このように、お金の動く流れが分かれば混乱せず仕訳できるようになるでしょう。
企業が銀行にお金を預ける場合
借方 | 貸方 | |||
企業簿記 | 預金 | 5,000,000 | 現金 | 5,000,000 |
銀行簿記 | 現金 | 5,000,000 | 預金 | 5,000,000 |
企業が銀行から資金を借りた場合
借方 | 貸方 | |||
企業簿記 | 預金 | 5,000,000 | 借入金 | 5,000,000 |
銀行簿記 | 貸出金 | 5,000,000 | 預金 | 5,000,000 |
企業が銀行預金からお金を引き出した場合
借方 | 貸方 | |||
企業簿記 | 現金 | 5,000,000 | 預金 | 5,000,000 |
銀行簿記 | 預金 | 5,000,000 | 現金 | 5,000,000 |
銀行以外の特殊な簿記
銀行簿記を取り上げて説明しましたが、簿記には他にも種類があります。
- 商業簿記
- 工業簿記
- 建設業簿記
- 農業簿記
1つずつ見ていきましょう。
1.商業簿記
商業簿記とは、一般的な企業や店舗で広く使用されている会計処理の方法。
商売を行う企業の資産・負債の増減や仕入れから販売までの流れで発生した費用や収益に関する会計処理で比較的シンプルです。
仕入れ活動や販売活動を記録して、企業の活動内容や企業組織の実態を把握することができるでしょう。
2.工業簿記
工業簿記とは主に製造業、工場などに適用される会計処理の方法。
材料を仕入れて商品を製造・販売する企業の生産活動で、原価計算には材料費、労務費などを製品別に集計します。
そのため、高い能力が必要になり日商簿記では2級以上の内容です。
3.建設業簿記
建設業簿記とは建設業の経理や財務に関する会計処理の方法で、建設業経理検定試験の資格で学習可能です。
日商簿記のルールをもとに、建設業の特殊な費目の違いや処理の方法を加えた簿記の仕組みをもっています。
小売業や製造業と比べると会計処理の方法に特殊性があるので、まずは日商簿記の知識を得てから勉強するのがいいでしょう。
4.農業簿記
農業簿記とは、農業の経営で使用する会計処理の方法です。一般的な簿記では使用しない専用の勘定科目を用いて帳簿付けを行います。
商品の販売だけでなく製造までを行うため、工業簿記に近いです。
生産資材や収穫前後の農産物など、さまざまな種類の在庫を抱えているため、種類ごとに分類して棚卸しをする必要があります。
農業簿記については関連記事「【地域貢献】農業簿記検定の勉強方法4ステップ!おすすめテキスト・日商簿記との違いを解説【1・2・3級対応】」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
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