「簿記1級おすすめテキストは?」
「独学でも合格できるテキストを知りたい」
「テキストの選び方を知りたい」
そんなお悩みにお答えしていきます。
簿記1級は合格率の低い難関資格のひとつです。合格するためには、テキスト選びが重要な要素となります。
簿記1級に合格するためにテキストは、どのようなものを選べば良いのでしょうか?
そこで、この記事では
- 日商簿記1級の概要
- テキストの選び方
- おすすめテキスト
- テキストを使ったおすすめ勉強方法
- テキスト学習での注意点
と、簿記1級のテキストの選び方から注意点まで詳しく解説していきます。
ぜひこの記事を参考に自分にあったテキストを選び、簿記1級の合格を目指してみてください!
Contents
【テキスト紹介の前に】日商簿記1級とは?概要をサクッと解説
日商簿記1級とは、簿記の最高峰と呼ばれる民間の検定試験です。商工会議所のホームページに、以下のような記載がされています。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。 合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。 引用:簿記1級のレベル
試験は4科目あり、経営分析などの実践的なスキルが必要です。
- 商業簿記
- 工業簿記
- 会計学:商業簿記で必要な計算の理論
- 原価計算:会社を経営していく上での意思決定の問題。原価という言葉の意味も異なる
商業簿記と工業簿記は2級よりより広い範囲を、深く理解することが求められます。
4科目とも範囲が広く深いため、簿記試験でもっとも難易度が高い試験です。
簿記1級について、詳しくは関連記事「【超難関】簿記1級はどうして難しいの?6つの理由を解説【合格率・合格点・難易度を確認しておこう】」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
日商簿記1級テキストの選び方
簿記1級のテキストを選ぶコツやポイントはあるのでしょうか?
こちらでは、テキストの選び方について、以下5つの項目で解説していきます。
- 説明が分かりやすい
- 図解が充実している
- テキストに網羅性がある
- 最新の出題範囲や会計基準に対応している
- テキストと問題集は同じシリーズを使用する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.説明が分かりやすい
説明が分かりやすいテキストを選びましょう。
簿記1級は難しい独特の技術が必要です。人によって理解しやすい説明が違うため、自分にあったテキスト選びが重要になります。
購入前に、以下のような方法で自分にあったテキストを探してみてください。
- ネットショップのサンプルを読む
- 書店で購入前に軽く読んでみる
周りの評判やレビューに惑わされず、自分にあったテキストを探しましょう。
2.図解が多く充実している
複式簿記を学習する上では、図解を多く活用したテキストを活用しましょう。
簿記の知識を身につけるには、文章だけでは理解しにくいです。また、文章を読むことにストレスを感じ学習も進まなくなってしまいがちに。
注意点として、イラストと図解は別物です。ここでのイラストとはキャラクターなどを指します。
イラストがあると、読みやすいなどのメリットも多数。しかし、イラストばかり多くても、内容の理解度はそこまで変わらないので注意しましょう。
3.テキストに網羅性がある
テキストが試験範囲を網羅しているか、確認する必要があります。
簿記1級の試験範囲は2級に比べ、広く難しいです。とても1冊のテキストに収まりません。 そのため、テキストを一通り理解すれば合格できるテキストを選ぶ必要があります。
テキストの中には、内容を全て理解しても合格点に届かない場合もあるので気をつけましょう。
4.最新の出題範囲や会計基準に対応している
日商簿記検定は、たびたび試験範囲の改正があります。
最近では、2019年に大きな試験範囲の改正がありました。そのため、以下のようなテキストを選ぶと、新試験に対応したテキストを選べます。
- 2019年以降に発売されている
- 2019年度改正対応の説明がある
主に試験範囲が改正されるのは商業簿記と会計学の2つ。工業簿記と原価計算は、長い間改正がないため古いテキストでもOKです。
5.テキストと問題集は同じシリーズを使用する
テキストと問題集は必ず同じシリーズを使用しましょう。
テキスト学習後、問題集をスムーズに解きやすいです。問題集を間違った場合もテキストと連携されているので、見直しがしやすいメリットもあります。
また、シリーズすべてをセットで買えば値引きされている可能性も高いです。わざわざ1冊ずつ別のシリーズを集めるよりも「理解しやすい」「安く買える」同じシリーズでテキストを買いましょう。
日商簿記1級テキスト・問題集のおすすめ3選
テキストの選び方は分かりましたが、テキスト代も安くないため失敗したくないですよね?
こちらでは、簿記1級のおすすめテキストについて、以下3つの項目で解説していきます。
- 日商簿記1級みんなが欲しかったシリーズ
- スッキリわかる日商簿記1級シリーズ
- サクッと受かる日商簿記1級シリーズ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.日商簿記1級みんなが欲しかったシリーズ
引用:日商簿記1級 みんなが欲しかった!シリーズ 基本学習セット
タイトル | 日商簿記1級みんなが欲しかった!シリーズ基本学習セット |
価格 | 16,830円(税込) |
出版年度 | 2021/1/22 |
出版社 | TAC |
大きさ | A5 |
イラスト付きで理解しやすく、フルカラーのため読みやすいです。
しかし、専門用語をそのまま使用しているため、表現が複雑になっています。始めのうちは1人では、理解しにくい可能性も。
上記リンク、TACのサイバーブックストアなら、定価の19,800円から15%OFFの16,830円で購入可能です。
表現は難しいですが、試験範囲を全て網羅されています。理解力に自信がある人はぜひ活用してみてください。
2.スッキリわかる日商簿記1級シリーズ
タイトル | 日商簿記1級スッキリわかるシリーズ基本学習セット |
価格 | 14,960円(税込) |
出版年度 | 2021/11/18 |
出版社 | TAC |
大きさ | A5 |
テキストと問題集がセットになったシリーズです。そのため、分量が少なく価格が安めに設定されています。
上記リンク、TACのサイバーブックストアなら定価17,600円のところ、15%OFFの14,960円で購入可能。
このテキストだけでの合格は難しいかもしれません。しかし、説明が分かりやすく内容が簡単なため、入門書として使用すると良いでしょう。
受験に慣れている方や基礎学力が高い方におすすめです。
3.サクッと受かる日商簿記1級シリーズ
タイトル | サクッと日商簿記1級フルセット |
価格 | 19,712円(税込) |
出版年度 | 2018/9/26 |
出版社 | ネットスクール |
大きさ | A5 |
もっとも多くの受験生に使用されているシリーズとなっています。 ネットスクールのテキストは独学向けに作られているため、どのテキストも分かりやすい傾向にあります。
Net-School WEB-SHOP経由で買うと、定価24,260円のところ20%OFFの19,712円で購入が可能。
高校や大学でも使用される信頼できるテキストです。迷ったらこのシリーズで学習するのが間違いないでしょう。
日商簿記1級の問題集おすすめ3選
テキスト学習と基礎問題集を解き終わったら、過去問や予想問題集を解き試験問題に慣れていく必要があります。
こちらでは、簿記1級のおすすめ問題集について、以下3つの項目で解説していきます。
-
- 合格するための過去問題集
- 日商簿記1級講師が選んだ過去問題集2022年度対策
- 日商簿記1級まるっと完全予想問題集
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.合格するための過去問題集
タイトル | 合格するための過去問題集 日商簿記1級 |
価格 | 2,860円(税込) |
出版年度 | 2022年1月(予定) |
出版社 | TAC |
大きさ | B5 |
第140回から159回までの過去14問が載っています。解説も付属しているため、間違った問題も見直しも可能。
2019年の改正前の問題も載っていますが、最新の出題区分・会計基準に合わせ、問題を一部改定しています。
値段も安く問題が14問と多い、もっともコスパの良い過去問題集です。
2.日商簿記1級講師が選んだ過去問題集2022年度対策
タイトル | 日商簿記1級講師が選んだ過去問題集 2022年度対策 |
価格 | 2,640円(税込) |
出版年度 | 2022年1月11日 |
出版社 | ネットスクール |
大きさ | AB版 |
独学に定評のあるネットスクールの講師が選んだ問題集です。本試験の出題傾向を考慮し、2021年度の最新問題を含めて問題を選び直しています。
内容は以下の通りです。
- 商業簿記・会計学対策:全8回
- 工業簿記・原価計算対策:全8回
独学での学習方法間違いを防ぐため、試験本番で特に重要な過去問が厳選されています。過去の良問のみを解くことで得点力アップが狙えるでしょう。
3.日商簿記1級まるっと完全予想問題集
タイトル | 日商簿記1級まるっと完全予想問題集 |
価格 | 3,080円(税込) |
出版年度 | 2022年1月以降(予定) |
出版社 | TAC |
大きさ | A4 |
資格スクールTACの講師が予想した問題集です。
過去の出題傾向を分析し、重要・可能性の高い論点をまとめました。 過去問題集に比べ、効率よく学習できます。
サイズが試験と同じA4のため、実践に近い形で問題を解けるでしょう。
テキストを使った簿記1級独学勉強方法
質の良いテキストを手に入れてたら、どのように学習を進めれば合格できるのでしょうか?
こちらでは、テキストを使用した勉強方法について、以下3つの項目で解説していきます。
- 参考書を一通り読む
- 問題演習を解く
- 予想問題と過去問にチャレンジ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.参考書を一通り読む
わからないところは気にせずに、一通り読み進めましょう。
簿記は暗記でないため、参考書を読んでいき内容に慣れる必要があります。
全て暗記しても問題が解けるようになる訳ではないです。 2〜3周ほどテキストを読み、試験範囲の内容を把握しましょう。
2.問題演習を解く
テキストを読んだら基礎問題を解きましょう。 始めのうちは問題が全然解けなくても問題ありません。問題に正解するより、間違えた問題への対処法が重要です。
間違えた問題はテキストや解説で理解を深め、もう一度解き直してみてください。理解したつもりでも、正解できない場合があります。
- 問題を解く
- 間違えたら、テキストや解説で理解する
- 正解できるまで解き直す
- 次の日に間違えた問題だけ解き直してみる
問題を上記の流れで解いていくと、理解がしやすいです。 間違えた問題は次の日にも解き直し、簿記の技術をどんどん身につけていきましょう。
3.予想問題と過去問にチャレンジ
基礎問題がある程度正解できるようになったら、過去問と予想問題に挑戦していきましょう。
問題を解く際は、必ず時間を測ったり机の上に必要なものだけを置いたり、本番に近い形で行います。試験本番で必要な下記のような技術も身に付くためです。
- 問題の時間配分を決める
- 集中力を身につける(90分×2)
- 解けない問題は諦めて次にすすむ
予想問題や過去問も、間違えた問題への対処法が大切です。必ず理解した後に間違った問題を解き直してみてください。
予想問題や過去問で、8割以上の点数が取れるようになれば合格も見えてくるでしょう。
テキストを使った簿記1級の勉強での注意点
テキストを使った勉強方法には、どんな落とし穴があるのでしょうか?事前に注意点を知ることで落とし穴を回避しましょう。
こちらでは、テキスト勉強での注意点について、以下3つの項目で解説していきます。
- 複数のテキストを使用しない
- 合格には1年くらいの勉強が必要
- 受験前に2、3級は取得しておく
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.複数のテキストを使用しない
複数のテキストを使用すると、広い範囲を抑えられそうですが、NGです。
発行元の違うテキストを使用すると、解説に違いが生まれ混乱してしまいます。網羅性の高いテキストを決め使い倒すのがおすすめです。
また、テキストを複数使用しインプット時間を増やすなら、より多くの問題を解きましょう。簿記はインプットだけでは合格できません。問題を解いていき、足りない知識は後から身につけましょう。
2.合格には1年くらいの勉強が必要
簿記1級の合格には800〜2,000時間の学習時間が必要と言われています。
- 独学
- ネットスクール
- 通学
- 初学者
- 2級保持者
人によって学習に必要な時間は変わります。必要な学習時間を見誤り、勉強が終わらない受験者もいるようです。
仮に平日2時間・土日5時間の学習を毎日した場合、1年間で約1,000時間となります。
- 1週間:20時間
- 1ヶ月:80時間
- 1年間:960時間
社会人の方は、時間も取りにくいため、受験日を決めて計画的な学習が必須です。
3.受験前に2、3級は取得しておく
少しでも理解度を上げるため、それぞれの級の学習は済ませましょう。
簿記1級は2、3級の知識が前提です。知識がなければ学習に躓きやすく挫折の原因にもなります。
士業を目指して簿記1級を受験する人がいる中で、合格を狙います。他の受験者より、深い理解をする必要があり、初学者が合格するのはほぼ不可能でしょう。
ぜひこの記事を参考に、簿記1級のテキストを選び有効活用して合格を目指してみてください!