「簿記2級取得のメリットを知りたい」
「簿記2級が意味ないって本当?」
「簿記2級がなくても経理はできる?」
そんなお悩みにお答えしていきます。
簿記2級は副業や転職などさまざまな場面で役立つ、合格率の低い難関資格となっています。
しかし「意味ない」「いらない」などの声が上がっているのも事実です。
簿記2級がどのように生活や仕事に役立つか、理解している人は少ないのではないでしょうか?
そこでこの記事では
- 簿記2級の概要
- 簿記2級が意味のない資格と言われる理由
- 簿記2級取得のメリット
- 簿記2級おすすめ勉強法
と、簿記2級について詳しく解説します。
ぜひこの記事を参考に簿記の必要性を理解し、取得を目指してみてください!
Contents
簿記2級は意味ない?どんな資格か概要をサクッと解説
簿記2級は、中小企業や製造業を営む会社に必要な会計の知識を学びます。
試験の概要として、商工会議所のHPで以下のような説明がされています。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
2級から工業簿記が新たに追加。工業簿記では、素材から製品を作る工場などで使われる会計方法の習得を目指します。
商業簿記も3級より試験範囲が広がり、難易度が上がっています。
経営管理の知識が身に付くことから、経理職の他に営業職や個人事業主の方にも人気の資格となっています。
簿記2級は意味のない資格と言われる理由
なぜ、簿記2級は持っていても、意味がないと言われるのでしょうか?
こちらでは、簿記2級が意味のない資格と言われる理由について、以下7つの項目で解説していきます。
- 知名度が高く簡単な資格だと思われている
- 取得者数が多い
- 士業のように独立はできない
- 無資格でも活躍している人がいる
- いずれAIに代替される
- 専門家に任せれば問題ない
- ネット上で悪評を立てる人が多い
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.知名度が高く簡単な資格だと思われている
簿記を勉強したことがない人は、2級の試験を簡単だと勘違いしています。そのため「簡単な資格を取っても意味がない」と言う人がいます。
実際、簿記2級の合格率は20%前後と高くありません。第158回のように合格率が8.6%と極めて低い回もあります。
世間的に難しいイメージのある宅建士の合格率は15%前後です。簿記2級は宅建士と同じく難易度の高い資格試験であることが分かります。
なお、簿記2級の難易度については、関連記事「【注目度UP】簿記2級は難しくなって価値ある資格に!難易度・合格点・合格率を徹底解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【注目度UP】簿記2級は難しくなって価値ある資格に!難易度・合格点・合格率を徹底解説2.取得者数が多い
簿記2級の年間受験者数は15万人を超えています。合格率が20%前後のため、取得者数が年間3万人程度増えています。
取得者が多い資格は価値が下がってしまうため、意味のない資格だと勘違いするようです。
簿記の資格は自営業者・雇用者どちらでも活かせます。日本国内で働いている人は数千万人います。日本全体の労働者数と比べれば、年間3万人増えたところで希少価値は下がらないでしょう。
また、簿記の知識を活かして株式投資や副業に活かせるため、取得者数が増えてもメリットは無くなりません。
3.士業のように独立はできない
簿記2級の資格は、税理士や公認会計士のように資格を活かして独立開業ができません。
公認会計士や税理士は、簿記2級の上位資格です。公認会計士などのように独占業務がないため、簿記2級を活かして独立することは難しいです。
しかし、簿記2級を活かして独立したいと考え、資格を取得する人はほとんどいません。転職や仕事に活きるメリットを考えると資格取得に意味は大いにあるでしょう。
4.無資格でも活躍している人がいる
簿記検定を持っていなくても職場で活躍する人はいます。
そのため、無資格で活躍する人がいる職場では、意味のない資格だと言われてしまいます。
また、経理や財務系の職場では、簿記の資格が必須ではありません。そのため、すでに経理として働いている人は必要性を感じないようです。
しかし、生涯同じ職場で働くなら問題ありませんが、転職をする際に自身のスキルを証明する手段がないと、職場を離れたくても離れられない可能性もあります。
自身のスキルを証明するためにも、取得して損することはないでしょう。
5.いずれAIに代替される
簿記の技術はAIに代替されると言われています。
数字を入力し帳簿付けから決算書の作成までを、AIが行う未来が来るかもしれません。AIが全ての業務をできるようになれば、簿記の資格は必要なくなります。
しかし、全てが自動化されることはありません。必ず人間の判断が必要になるからです。
判断する上で簿記の知識は必須となるため、全てが代替されることはないでしょう。
6.専門家に任せれば問題ない
近年では、経理業務をすべて外注する企業もあります。そのため、経理職が社内に不要と考える人が増えてきました。
しかし、簿記の知識を持たない会社が正しい経営判断をできるとは思いません。お金を管理できない企業が、適正な経営戦略をたて、利益を増やしていける可能性は低いです。
社内に会計の知識を持つ人がいなくなっては、会計監査や税務監査が入った際に何も対応できなくなってしまうでしょう。
7.ネット上で悪評を立てる人が多い
SNSで「簿記2級は不要」など悪評を立てる人がいます。合格率が低い資格のため、不合格者の中にネガティブな発言をする人もいるようです。
なんだ簿記2級って、いらない
— 安 田 ヨ ー グり ぃ た (@Ri_ta_0911) June 23, 2019
簿記2級はあまり意味ないですよ。
— Cornalimus (@cornalimus) August 14, 2010
上記のような発言から意味がないと感じる人は少なくないです。しかし、実際に簿記2級を取得してみなければ資格の有用性はわかりません。
- ファイナンシャルプランナー
- TOEIC
- ITパスポート
- マイクロソフトオフィススペシャリスト
上記のようなビジネスマンに役立つ資格でも「いらない」「意味ない」などの意見は多く見つかります。
まずは学習してみて、役立つ資格かどうか自分で判断していきましょう。
簿記2級が意味ないは嘘!取得する7つのメリットを紹介
簿記2級を取得するメリットは本当にあるのでしょうか?
こちらでは、簿記2級のメリットについて、以下7つの項目で解説していきます。
- 就職・転職で役立つ
- 年収アップできる
- 企業の業績判断ができる
- 確定申告ができる
- 他の資格取得に役立つ
- 3級より実務に活かせる
- 会計や経済の大学への進学が有利
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.就職・転職で役立つ
簿記2級の資格は、就職や転職などの場面で評価されるため役立ちます。
簿記2級では、工業簿記も学習します。工場などで知識を活かせるため、活躍の幅も広いです。
未経験で経理に転職する場合、簿記2級以上の取得者を優遇している企業は多々あります。
また、会社全体のお金の流れを理解できるため、営業職などへの就職や転職でも大きな武器となるでしょう。
2.年収アップできる
簿記2級を取得すると、資格手当がもらえる可能性があります。
資格手当とは、資格を取得した従業員に対し、企業が現金などの手当を支給する福利厚生です。支給方法は2種類あります。
- 資格手当:毎月の給与に一定金額加算される
- 合格報奨金:資格取得に対してお祝い金として、一時金を支払われる
簿記2級の受験を検討している方は、上司や総務に確認してみましょう。
また、管理職への出世の可能性もあります。管理職には、お金の流れを把握する力が必要です。簿記2級の取得で身につくため、社内評価が同列のときなど取得していない方よりも管理職への出世の可能性は高まるでしょう。
3.企業の業績判断ができる
企業の業績判断ができるようになるため、資産運用に活かせます。
企業の業績を判断するためには、決算書の解読が必要。簿記2級のスキルがあれば決算書を作れるため、読み解くのは難しくないです。
また、企業の業績判断ができるため転職や就職の際にも役立ちます。倒産する可能性の低い会社を選べれば、職を失うリスクを減らせるでしょう。
4.確定申告ができるようになる
副業や独立をする際に、確定申告を迷わずにできます。
個人でお金を稼いだ際、税金を支払うために確定申告が必要です。確定申告には帳簿付けのスキルが必須ですが、簿記2級の知識があればスムーズに行えます。
確定申告は、簿記の知識がなくとも税理士に依頼すれば問題はありません。しかし、会計の基礎を理解していなければ自社の経営状態を完璧に把握できません。
自社の財務状況を把握できなければ「利益が増えているのか」「現金が増えているのか」理解しにくいです。
特にせどりのようなビジネスでは、商品がたくさん売れていても赤字になっていることもあります。
お金の流れを管理できる簿記2級は、ビジネスにおいて重要な資格でしょう。
5.他の資格取得に役立つ
簿記2級の取得から上位資格にステップアップが可能です。
- 日商簿記1級
- 全経簿記上級
- 税理士
- 公認会計士
上記の難関資格に簿記2級の知識は役立ちます。
簿記2級取得後に日商簿記1級や全経簿記上級を受験すると、理解しやすく合格の可能性が高いです。
税理士試験では簿記論と財務諸表論にて、簿記2級の知識を活かせます。
6.簿記3級より実務に活かせる
簿記3級で会計の基礎を学べますが、2級を取得することでより実務に活かしていけます。
- 税効果会計:会計上の利益と税務上の所得の計算方法が違うため、差を合わせること
- 連結会計:複数の企業の財政状態や経営成績などを一つとして報告する会計
上記2つは簿記2級から新たに試験科目として出題されます。
税効果会計と連結会計の知識を学習し、実務に生かしましょう。
7.会計や経済の大学への進学が有利
学生の場合、簿記2級の取得によって進学を有利に進められます。
日本商工会議所のホームページによると、全国75の大学入試で活かせるようです。
将来、大学で商業や経済について学びたいと考えている学生は、就職・進学に使えるため持っていて得しかないでしょう。
【食いっぱぐれない資格】簿記2級のおすすめ勉強方法・取得方法
簿記2級を取得した人はどのように学習したのでしょうか?
こちらでは、簿記2級の学習方法について、以下3つの項目で解説していきます。
- 通学講座
- 独学
- 通信講座
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.通学講座
通学講座は学校の授業のように学習していくスタイルです。
実際に教室に通うため、場所と時間を縛られてしまうデメリットがあります。
しかし、以下のようメリットが多数。
- 質問しやすい
- 受講生同士で繋がりができる
- 範囲改正にも柔軟に対応
お金はかかってしまいますが、万全のサポートを受け確実に合格を目指したい方におすすめの学習方法となります。
2.独学
簿記2級は独学でも十分合格を狙えます。
- 理解に時間がかかる
- 間違った知識が身につく可能性がある
- モチベーションを保ちにくい
- 挫折しやすい
上記のようなデメリットが多数あります。しかしお金をかけずに始められるため、小さく始められるメリットもあります。
- 周りに教えてくれる人がいる
- 独学の経験が豊富
- 経済的にあまり余裕がない
上記のような方は、まず独学で始めてみましょう。
独学方法について知りたい方は、関連記事「【経験者直伝】簿記2級は独学で合格できる!勉強方法と挫折しない学習スケジュールを徹底解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【経験者直伝】簿記2級は独学で合格できる!勉強方法と挫折しない学習スケジュールを徹底解説3.通信講座
通信講座は独学と通学講座のいいとこ取りをしたおすすめの勉強方法です。
- 場所と時間を選ばず学習できる
- 学習サポートが充実している
- スキマ時間でも学習可能
上記のようなメリットがあります。学習コストも通学講座より安いため、始めやすいです。
通信講座に迷っている方は、関連記事「【2021年下半期】簿記通信講座おすすめ人気ランキング24選!安さ・コスパ・クオリティで徹底比較」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
ぜひ、この記事を参考に簿記2級のメリットを理解し、資格取得を目指してみてください!