「簿記1級は難しい?」
「どれくらい難易度が高い?」
「合格率や合格点が気になる」
そんなお悩みにお答えします。
簿記1級に挑戦するかどうか悩んでいませんか?
受験するにあたって、難易度や合格率など知っておくべきことがたくさんあります。
そこで、この記事では
- 簿記1級の出題内容・合格率・合格点・難易度
- 簿記1級が難しい・難易度が高い6つの理由
- 簿記1級は難易度が高くても取得する価値やメリットがある
と、簿記1級を受験する際に気になることを全て解説。また、取得におすすめの簿記通信講座3選も紹介します。
ぜひこの記事を参考に、簿記1級を目指してみてください。
Contents
簿記1級は難しい!30秒でサクッと解説
結論から言うと簿記1級はとても難しい試験です。
日本商工会議所によると、日商簿記1級のレベルは以下の通りとなっています。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析をおこなうために求められるレベル。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。
そのため合格者は、経営管理のプロと言えます。簿記の最高峰であり、難易度偏差値も上位です。
簿記1級は簿記の本質を知ることが大切。論理的に理解していないと解けない問題が多く、丸暗記やパターン学習では太刀打ちできません。
そのため、簿記1級の取得からビジネスにおける問題解決のための応用力や実践力が身につくでしょう。
簿記1級の難しい出題内容について
簿記1級では、2級や3級と比べて試験科目が広がり、4科目に増えます。
出題範囲について、以下2つにまとめました。
- 商業簿記・会計学
- 工業簿記・原価計算
それぞれ見ていきましょう
1.商業簿記・会計学
基礎的な知識はもちろん、実務レベルの応用力を求められます。
特に商業簿記は、曖昧な状態では得点に繋ぐことが難しいです。
- 有価証券
- 固定資産
- 税効果会計
- 退職給付会計
- リース取引
- デリバティブ取引
- 繰延ヘッジ会計
上記のような、これまで取り扱わなかった特殊な取引や、財務諸表の作成に必要な会計処理を学ぶため、2級よりも格段に難易度がアップ。
会計学では、文章の穴埋め問題や正誤判定問題などが出題されます。商業簿記と違い、理論が問われるので単語の暗記だけでは解けません。
会計処理を1つずつ、しっかり深く掘り下げて基本を理解するようにしましょう。
2.工業簿記・原価計算
2級でも試験範囲であった工業簿記では、製品原価計算を前提とした勘定記入・差異分析などが出題されます。
文章自体が難しいので、かみ砕いて内容を理解するための学習がとても大切です。
原価計算では、以下のような分析や、投資の意思決定に関する問題が出題されます。
- 設備投資の意思決定
- 業務的意思決定
- 予算実績差異分析
- CVP分析
- 差額原価収益分析
2級よりも計算が難しく複雑なため、1問にかかる時間が増えます。そのため、正確かつ素早く解けるように日頃から学習しましょう。
簿記1級の合格率と合格点から難易度を確認
出題範囲が格段に増え難しく感じる簿記1級ですが、実際の合格率や難易度はどれくらいなのでしょうか?
- 簿記1級の合格率について
- 簿記1級の合格点について
- 簿記1級に合格するために必要な勉強時間
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
1.簿記1級の合格率について
受験回 | 合格率 |
158(2021.6.13) | 9.8% |
157(2021.2.28) | 7.9% |
156(2020.11.15) | 13.5% |
155(2020.6.14) | 中止 |
153(2019.11.17) | 9.8% |
152(2019.6.9) | 8.5% |
150(2018.11.18) | 9.0% |
149(2018.6.10) | 13.4% |
147(2017.11.19) | 5.9% |
146(2017.6.11) | 8.8% |
簿記2級は合格率が30%であったのに対し、簿記1級は8~10%程度の難易度が高い試験です。
年によって合格率に差はありますが、15%を超える回はありません。一方で、第147回(2017年11月)の5.9%のように特に低い回はあります。
合格率だけを見ると、とても合格しにくい試験であることがわかるでしょう。
2.簿記1級の合格点について
簿記1級の合格条件については、以下の2つがあります。
- 合計点が70%以上であること
- 4科目それぞれで40%以上であること
簿記1級の合格ラインは、2級や3級と同じように70点です。
しかし、本来であれば絶対評価の試験ですが、配点や採点基準は明らかになっていません。合格率を調整するため、正答率によって配点を変えている可能性があります。
そのため、絶対評価の試験ではなく、受験者の中で上位10%前後に入ることが求められる相対評価の試験だと言われています。
他の受験生と比べて差を付け、上位を目指して勉強する必要があるでしょう。
3.簿記1級に合格するために必要な勉強時間
簿記2級レベルの知識がある場合は500~700時間。一から学習をする場合は800~2000時間ほど必要です。
経験者でも、1日2時間学習する計画であれば1年ほどかかります。
勉強時間の幅が広いのは、1回の試験で合格する人が少なく、2~3回の試験を受けるためです。
効率よく勉強できれば、短期間で合格できる可能性もあります。
しかし、ネット上で見られる数か月で合格したという声はかなりレアケースです。しっかりと勉強時間を確保しましょう。
簿記1級が難しい・難易度が高い6つの理由
なぜ簿記1級は合格することが難しいのでしょうか?
こちらでは、難易度が高い理由について、以下6つの項目で解説していきます。
- 2級を完全にマスターしていない
- 足きり制度がある
- 試験範囲が広すぎる
- 各論点に手を抜けない
- 受験生のレベルが高い
- 難問正解だけでは合格できない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.2級を完全にマスターしていない
簿記1級は、2級の内容を完璧に身につけている前提で勉強することが大切です。
基本的な内容は2級で学習し、応用的な内容を簿記1級で学習することになります。簿記2級の内容が不完全である場合、簿記1級の応用から取り組まなければいけないので、難しく感じるのは当然ですね。
また、不得意な分野があったものの、2級の試験では出題されず運良く合格出来たということもあります。
2級の内容を全て完璧に理解してから1級に挑戦しましょう。
2.足きり制度がある
3級や2級では、点数の内訳がどうであれ合計が70点以上であれば合格ですが、1級の場合はそれぞれに必要な最低点数が設定されています。
4科目のうち1科目でも10点未満の点数があると合格できません。各科目4割ほど正解しなければならず、苦手科目があると不利ですね。
不得意科目や未学習項目を作らず、試験範囲を全て網羅して勉強する必要があるでしょう。
3.試験範囲が広すぎる
簿記2級では、商業簿記と工業簿記の2科目でしたが、1級は4科目あります。
テキストは8~10冊に増えるので、ボリュームに多く驚くでしょう。
試験範囲が膨大にも関わらず、試験では学習範囲の一部しか出題されないという特徴があります。ヤマを張って受験するという戦略では合格が難しいです。
4.各論点に手を抜けない
簿記1級では、広く深い知識が必要になります。
2級や3級なら頻出でない部分は、力を入れずに勉強することもできました。1級では網羅的に勉強しなければ、合格するのは難しいです。
なぜなら、全ての論点で内容が細かく問われるので、浅い知識では解けないからです。
1つ1つの論点を確実に理解し、定期的に解いて忘れないようにしましょう。
5.受験生のレベルが高い
簿記1級の受験生の中には、公認会計士の試験に向けて力試しに受験する人がいます。
とても難関試験である公認会計士を目指す人がライバルです。
相対試験なので、そのような高学歴な方と勝負する必要があります。とてもハイレベルな戦いになるでしょう。
6.難問正解だけでは合格できない
難しい問題が解けたからといって、合格できるわけではないです。
配点調整は、多くの受験生が解けた問題の点数を上げて、多くの受験生が解けなかった問題の点数を下げます。難しい問題が解けたからと、合格にはなりません。
基本的な問題に正解できないと、配点が高い問題を得点できなくなるので、差がついてしまいます。
そのため、他の方が解けない難問だけに時間を費やすのではなく、基礎問題を確実に得点することが必要になるでしょう。
簿記1級は難易度が高くても取得する価値やメリットがある
とても難易度が高い簿記1級は、苦労してまで取る必要があるのでしょうか?
取得するとどのような利点があるのか、以下3つにまとめました。
- 就職・転職が有利になる
- 資格手当や早期昇進につながる
- 進学や起業で高い評価が得られる
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
1.就職・転職が有利になる
簿記1級を取得すると、就職や転職がしやすくなり仕事の選ぶ幅が広がります。大企業の経理が務まるレベルの知識があることの証明になるためです。
就職や転職でも資格保有者は、高く評価される傾向にあります。
会計や財務などの仕事だけでなく、企画部門でも能力を発揮できると見込まれるため、大企業への就職にも有利です。
簿記1級を取得すれば、就職活動がとても有利になるでしょう。
2.資格手当や早期昇進につながる
難関資格である簿記1級を取得することで、資格手当や早期昇進に繋がる可能性があります。
なぜなら、企業経理や事務など会計職に就いている方は、税法や会計などに関して知識を更新し続けることが必要だからです。
学び続ける姿勢が評価されるでしょう。
3.進学や起業で高い評価が得られる
進学や起業などステップアップしたい時にも有利です。
大学の推薦入学において、2級より上位の資格は高い評価を得られます。
起業やフリーランスになる場合、経理処理や帳簿の管理が出来るようになり、経営上の不安が減少。自社の経営管理に役立つ知識も身につきます。
簿記1級は、個人の能力に直接繋がる資格なので取っておいて損はないですね。
簿記1級は難しい!おすすめの簿記講座3選
簿記1級の資格試験は難関で、独学で合格するのは難しいです。どうしても独学しなければいけない理由がある方以外は、スクールや通信講座を検討しましょう。
こちらでは、おすすめの講座について、以下3つの項目で解説していきます。
- クレアール通信簿記講座
- スタディング通信簿記講座
- 資格の大原通信簿記講座
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
1.クレアール通信簿記講座
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クレアールについての詳しい評判は、関連記事「【徹底分析】クレアール簿記通信講座はコスパが良いと評判!講師・テキスト・価格の口コミを紹介」にて説明します。ぜひ参考にしてみてください!

2.スタディング通信簿記講座
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スタディングについての口コミは、関連記事「【1級開講】スタディング簿記講座(旧:通勤講座)の評判とは!テキスト・講師・価格の口コミを紹介」にて説明しています。ぜひ、参考にしてみてください!

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資格の大原については、関連記事「【圧倒的な合格実績】資格の大原の簿記通信講座の評判とは!悪い口コミも紹介」にて詳しく説明しています。ぜひ、参考にしてみてください!

ぜひこの記事を参考に、簿記1級取得を目指し、1歩踏み出しましょう!