とと@経理ブロガー
「仕訳のコツを教えてほしい」
「仕訳問題で正解に導けない」
そんなお悩みにお答えしていきます。
仕訳をなんとなく解いていて、点数を取りこぼしてしまう方も多いはず。
仕訳は簿記の基礎です。3級や2級に関係なく、試験では大問で丸ごと出題されたり、他の問題でも仕訳を書いて解いたりするものがあります。そのため、マスターしておくことは必要不可欠です。
そこで、この記事では
- 仕訳ってもそもそも何?
- 仕訳に必要な勘定科目ってそもそも何?
- 仕訳のコツ5STEP
- 仕訳のルール
と仕訳をする際のコツやルールについて解説します。
多くの受験生がつまづいてしまいがちなところですが、きっちりと法則を理解すれば必ず解けるようになります!
ぜひ、この記事を参考にポイントを押さえて、試験で得点できる状態に持っていきましょう!
Contents
簿記の仕訳とは!仕組み・勘定科目をサクッと解説
仕訳とはどんな仕組みになっているのでしょうか。
こちらでは以下の4つについて解説します。
- そもそも仕訳って何?
- 仕訳はどんなふうに使うの?
- 勘定科目って何?
- なんで仕訳しなきゃいけないの?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.そもそも仕訳って何?
仕訳とは会計上の取引を5つの要素で記録する作業です。
「お金の動きを記録する」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、家計簿でしょう。たしかに「何にどれだけ使ったのかを毎月記録し、翌月の改善に活かす」という意味では、家計の記録も企業の簿記も同じような役割なのかも知れません。
しかし、簿記はたとえお金の増減がなくても、以下5つの会計要素が変動すれば記録をつけます。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
そして「費用の増加/資産の減少」「資産の増加/収益の増加」のように1本の仕訳で2種類の意味を表します。
この方法は複式簿記と呼ばれ、日商簿記検定で問われるスタンダードな記帳のやり方です。
2.仕訳はどんなふうに使うの?
仕訳は、会計取引の因果関係を明らかにしてくれる役割を持っています。
例えば「電気代が2万円かかった」という取引を表現するとき「水道光熱費 20,000/現預金 20,000」と記帳します。
つまり「2万円の水道光熱費が発生したため(原因)現預金が2万円減った(結果)」と2つの側面から、会計取引を記録しているのです。
このように、厳密に会計の管理を行えるため、日本のほとんどの企業で複式簿記が採用されています。
3.勘定科目って何?
勘定科目とは、取引の内容をわかりやすく分類するために使われる簿記上の科目のこと。「水道光熱費 20,000/現預金 20,000」で言うところの、水道光熱費・現預金の部分です。
勘定科目の存在意義は、だれが取引を記帳しても同じように分類できるという点にあります。
同じ事務所の電気代でも、だれが担当したかによって「電気料金」「水道光熱費」「電気代」と表現が分かれてしまっては、集計に時間がかかってしまうでしょう。
月単位で金額を比較しにくいと、帳簿をつけている意味もありません。
そのため、同じ取引は同じ勘定科目にできるように、記録者どうしが前提を共有することが大切です。
企業によっては細かく分析したいために「水道光熱費」とひと括りにせず「電気代」「水道代」「ガス代」と複数の勘定科目に分けているところも。
会社の経理規則や試験問題の指定に従い、独りよがりの記帳にならないよう気をつけたいですね。
4.なんで仕訳しなきゃいけないの?
仕訳は、税金の申告に必要です。申告書とともに税務署に提出する決算書を作るには、1つひとつの会計取引を仕訳に起こしておかなければいけないからです。
決算書とは、会社や個人事業主の事業における成績表のようなもの。企業が1年間かけて稼いだ金額や、期末時点で保有している(純)資産・負債などのデータを表してくれます。
日々の会計取引を仕訳にしていくことで、決算書の形に集計できるようになります。
決算書は社内の会計分析にとどまらず、最終的には外部に公開されたり、法人税および消費税の確定申告の材料として活用されたりします。そのため、仕訳が間違っていることは許されず、日々、正しく行うことが重要です。
簿記の仕訳のルール
複式簿記における仕訳では「水道光熱費 20,000/現預金 20,000」のように2つの会計要素の増減を表します。このうち左側を借方と呼ぶのに対して、右側を貸方と呼びます。
有名な覚え方は、ひらがなに直してみる方法です。「かりかた」と「り」が左に伸びているので左側が借方で、一方「かしかた」と「し」が右に伸びているので右側が貸方と押さえておくと間違いありません。
仕訳の記入にあたっては、守らなければならない約束事があります。
以下5つの記帳ルールを押さえておきましょう。
- 資産:ホームポジションは借方(左側) 増加は借方・減少は貸方
- 負債:ホームポジションは貸方(右側) 減少は借方・増加は貸方
- 純資産:ホームポジションは貸方(右側) 減少は借方・増加は貸方
- 費用:ホームポジションは借方(左側) 発生時は借方・キャンセル時は貸方
- 収益:ホームポジションは貸方(右側) 発生時は貸方・キャンセル時は借方
さらに、表にすると以下のようにまとめられます。
借方 | 貸方 |
資産の増加 | 資産の減少 |
負債の減少 | 負債の増加 |
純資産の減少 | 純資産の増加 |
費用の発生 | 収益の発生 |
ルールを個別で暗記しようとせず、各要素のホームポジションを把握するようにしましょう。押さえるべきことは、増加したときはホームポジションに書くのに対して、減少したときは反対側に書くこと。
ルールをしっかりと押さえておけば、仕訳のマスターは簡単。試験の際も、高得点が狙えます。
簿記の仕訳のコツ5STEP
仕訳をするにあたって、どのような手順を踏んでいけば良いのでしょうか。
こちらでは、5つのステップに分けてコツについて解説します。
- 勘定科目を覚える
- 取引の増減を考える
- 勘定科目の増減に置きかえる
- 勘定科目がどの要素に分類されるか考える
- 勘定科目と金額を借方・貸方に記入する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.勘定科目を覚える
会社を運営するために必要な、お金・パソコン・車・土地・建物などには必ず勘定科目が定められています。きっちりと覚えておかなかったら、正しい仕訳ができません。
一部の具体的な勘定科目を、会計要素とともに以下の表にまとめました。
会計要素 | 意味 | 勘定科目の例 |
資産 | 会社が保有している財産 | 現金・売掛金・受取手形・当座預金・備品など |
負債 | 将来支払い義務の発生する債務 | 買掛金・支払手形・未払金など |
純資産 | 資産から負債を差し引いた純粋な会社の財産 | 資本金・繰越利益剰余金など |
費用 | 取引に対して発生した、あるいは支払った金銭の額 | 仕入・給料・水道光熱費・減価償却費・広告宣伝費・雑損など |
収益 | 取引に対して受け取った、あるいは受け取りが確定した金銭の額 | 売上・受取利息・固定資産売却益・雑益など |
勘定科目の暗記は、仕訳をする際には最低条件です。
ぜひ、勉強を始める前にテキストなどを使って勘定科目を覚えるようにしましょう。
2.取引の増減を考える
あらゆる取引において、必ず増加したものと減少したものがあります。
例えば「会社用のパソコンを現金70,000円で購入した」ケースを紐解くと
- 「70,000円分のパソコン」が増え
- 「70,000円の現金」が減った
と考えられます。
仕訳の問題を解いていくときは、この二面性を意識するようにしましょう。
3.勘定科目の増減に置きかえる
取引内容を考えられたら、勘定科目を代入していきます。
会社用パソコンを現金購入した場合、それぞれの勘定科目は
- パソコン:備品
- 現金:現金
です。
勘定科目の増減に置き換えるのは、科目の暗記と取引の増減イメージができていれば、それほど恐れることではありません。
4.勘定科目がどの要素に分類されるか考える
置き換えた勘定科目が、資産・負債・純資産・費用・収益の5つのうちどの要素に当てはまるのか考えましょう。
この記事で解説した5つのルールを思い出し、適切な仕訳の配置を考えましょう。
どちらに配置したら増加・減少と厳密に覚える必要はありません。ホームポジションを意識して、頭の中でイメージを作っておくことが重要です。
片方でも思い出せれば、そこから正解までたどっていけますよ。
5.勘定科目と金額を借方・貸方に記入する
会社用のパソコンを現金70,000円で購入したケースでは、以下の仕訳になります。
借方 | 貸方 |
備品 70,000 | 現金 70,000 |
ぜひ、仕訳のステップを押さえて、試験で得点できるようにしましょう。
簿記の仕訳の学び方
それでは、仕訳はどのようにして学べばよいのでしょうか。
こちらでは、以下の3つの方法について紹介します。
- 本で学ぶ
- 講座で学ぶ
- YouTubeで学ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.本で学ぶ
本の学習は手軽で最もお金のかからない方法です。特にTACから出版されている『究極の仕訳集』や『これだけ仕訳マスター』が仕訳をマスターするのに適した教材です。
ただ解答だけ載っているだけではなく、思考のプロセスも視覚的に示してくれます。
3級・2級と級別に分かれているので、自分に合ったものを選んでみてください。
2.講座で学ぶ
金銭的に少し余裕があって、確実にマスターしたい場合は講座での学習がおすすめです。
通信講座のオンスクでは『簿記3級 仕訳マスター講座』と仕訳に特化した講座が受けられます。全部でたった13回の授業を受けるだけで、仕訳の習得ができます。
月額980円(税抜)で受講できるので、マスターして得点源にしようと考えているなら検討してみるのもおすすめですよ。
オンスクの簿記講座については、関連記事「【独学のお供に】オンスクの簿記通信講座の口コミ・評判とは!月額制で学び直しにも最適」にて詳しくレビューしています。ぜひ参考にしてみてください!
【独学のお供に】オンスクの簿記通信講座の口コミ・評判とは!月額制で学び直しにも最適3.YouTubeで学ぶ
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ぜひ、今回の記事を参考に仕訳のポイントについて理解し、試験の合格を目指しましょう。