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【これで決まり】FP2級の実技試験のおすすめはどれ?選択方法を詳しく解説【合格率で選ぶのはNG】

「FP2級の実技はどんな種類があるんだろう?」
「自分にはどれが合っているのかな?」
「なるべく負担の軽い実技を選んで、1回で合格したい」

そんなお悩みにお答えしていきます。

FP(ファイナンシャルプランナー)2級資格には学科試験と実技試験があります。

なかでも、実技試験は5種類ある中からどれにするかあらかじめ選択する必要があるため悩ましいところ。

最初から実技試験の内容まで把握している方は少ないのではないでしょうか。

そこでこの記事では

  • FP2級の実技試験5種類の選び方
  • 実技試験5種類の特徴
  • タイプ別おすすめの実技試験
  • おすすめの学習方法

と、FP2級の実技試験について詳しく解説していきます。

実技を決めずにテキストを購入してしまうと「希望する実技試験に対応していなかった…」と余計な出費になりかねません。

ぜひこの記事を参考に自分に合った実技試験を選んで、FP2級資格試験合格を目指してください!

FP2級の実技試験の基本情報をサクッと解説

FP2級を受験するには「FP3級合格」「実務経験2年以上」「認定研修修了」のうち、いずれかの受験資格が必要です。

受験資格を満たしていたら、さっそく実技試験の選定にかかりましょう。

こちらでは、FP2級の実技試験の選び方について、以下5つの項目で解説します。

  1. FP2級の実技試験には5つの種類がある
  2. 選択科目によって試験スケジュールが異なる
  3. FP協会ときんざいでは問題のタイプが異なる
  4. 人気があるのはFP協会の資産設計提案業務
  5. 「合格率が高い=簡単」ではない

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.FP2級の実技試験には5つの種類がある

国家資格であるFP資格試験は、日本FP協会きんざい(金融財政事情研究会)の2つの団体が実施しています。

2級の実技試験は2団体あわせて次の5種類あり、その中から1つ選んで試験の申し込みをします。

  • 【FP協会】資産設計提案業務:以下「FP協会」
  • 【きんざい】個人資産相談業務:以下「きんざい個人」
  • 【きんざい】生保顧客資産相談業務:以下「きんざい生保」
  • 【きんざい】損保顧客資産相談業務:以下「きんざい損保」
  • 【きんざい】中小事業主資産相談業務:以下「きんざい中小」

上記のように2級の場合は、FP協会の実技試験が1つ、きんざいは4つあります。

テキストの購入や通信講座の申し込みは、希望する実技試験に対応しているかチェックが必要です。

「FP2級を受験する」と決めたら、まずは自分に合った実技試験はどれか、選ぶことから始めましょう。

2.選択科目によって試験スケジュールが異なる

FP2級の資格試験は年に3回実施されますが、5種類の実技すべてが毎回行われるわけではありません。

【FP2級実技試験の試験スケジュール】

FP協会 きんざい
資産設計 個人 生保 中小 損保
1月 ×
5月 × ×
9月

上記のとおり、きんざい中小は年に2回、きんざい損保においては年1回しか実施されないので注意が必要です。

3.FP協会ときんざいでは問題のタイプが異なる

FP協会ときんざいでは問題数が大きく異なります。

【FP2級の出題形式と合格基準等】

実施団体 FP協会 きんざい
問題数 10題40問 5題15問
合格基準 60点以上/100点 30点以上/50点
60%以上 60%以上
方式 記述(〇×・選択・計算)
試験時間 90分

上記のとおり、FP協会ときんざいでは問題数が異なりますが、試験時間や合格基準、マークシートではなく記述式である点は共通です。

次に、FP協会ときんざいの問題の傾向をみてみましょう。

  • FP協会:出題範囲が広いため問題数は多いものの、難易度は比較的やさしい。時間が足りなくなるケースが多いので、どの問題を後回しにするかなど戦略が必要。
  • きんざい:FP協会と比較すると難易度が高い傾向がある。時間的には余裕があり、じっくりと見直せる。1問間違えると芋づる式に不正解になるなど、ミスによるダメージが大きいので注意が必要。

上記のようにFP協会ときんざいでは問題の傾向が大きく異なります。

Webサイトにある過去問をチェックしてみるとイメージがつかめるのでおすすめです。

4.人気があるのはFP協会の資産設計提案業務

5種類の実技の人気度をはかるために、受験者数の割合をチェックしてみましょう。

【FP2級・実技試験別受験者の割合】

実施団体 実技 受験者の割合
FP協会 資産設計 57.2%
きんざい 個人 42.8%
生保 34.5%
中小 2.6%
損保 0.4%

<参考>日本FP協会きんざいより、1年間(2021年5月/9月・2022年1月)の実技受験者数を合計して算出

上記の表を見てみると、年3回実施される実技試験3つに人気が集中していることがわかります。

FP協会の受験者数が多いのは直近の傾向で、数年前まではきんざい個人の受験者数のほうが多い年が続いていました。

2013年までさかのぼると、FP協会よりきんざい個人のほうが倍くらい多く、今と割合が逆転しています。

最近FP協会に人気が集まっている理由は「FP協会の合格率が高い」点が関係していると考えられます。

5.「合格率が高い=簡単」ではない

FP2級の合格率は実技試験によってどの程度の違いがあるのでしょうか。

【FP2級の実技試験別合格率】

FP協会 きんざい
資産設計 個人 生保 中小 損保
2021/5月 67% 43% 47%
2021/9月 60% 42% 34% 60% 68%
2022/1月 56% 40% 51% 58%

<参考>日本FP協会きんざい

上記を見ると、FP協会の合格率が高くなっており、これがFP協会の受験者数増加の原因だといわれています。

しかし、合格率が高いからといってFP協会のほうが受かりやすいわけではありません。

FP協会ときんざいは学科試験が共通なので、両者の学科の合格率をみてみましょう。

  • FP協会:41.5%
  • きんざい:19.5%

(2022年1月実施FP2級学科試験の合格率)

なんと、同じ試験内容でFP協会の合格率はきんざいの倍以上という結果に。

FPは本人の実力がそのまま合否に反映される絶対評価なので、FP協会の受験者はきんざいの受験者より学習熱心であることがわかります。

その理由として「きんざいは保険会社など団体申込が多いので、本人の受験意思が弱い」「FP協会は個人が自発的に申し込むので意欲的」などが考えられます。

実技試験の問題は学科試験の知識が必要なので、学科の点数が高い人は実技も高得点である可能性が高い……と、これがFP協会の合格率が高い原因なのです。

FP2級の実技試験を選ぶ際は「合格率が高い=簡単に合格できる」という先入観をもたないようにしましょう

FP2級実技はどれを選ぶ?各試験の特徴をチェック

【FP2級実技試験別出題範囲】

FP協会 きんざい
学科の分野 資産設計 個人 生保 中小 損保
ライフ 〇×5
リスク 〇×2 〇×2
金融資産
タックス
不動産
相続

※ライフ:ライフプランニング(お金の計画)、リスク(保険)、タックス(税金)

上記は、学科試験のどの分野が実技試験に出題されるかを表にしたものです。「〇×5」は「問題数が約5倍」という意味。

出題範囲が広い(〇が多い)ほど基本的な内容で、狭い(〇が少ない)ほど深く掘り下げた内容を問われます。

この章では、上記の表をもとに実技試験5種類の特徴について解説していきます。

  1. 【FP協会】資産設計提案業務
  2. 【きんざい】個人資産相談業務
  3. 【きんざい】生保顧客資産相談業務
  4. 【きんざい】損保顧客資産相談業務
  5. 【きんざい】中小事業主資産相談業務

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.【FP協会】資産設計提案業務

FP協会は個人を対象とする内容の問題が多く出題されるのが特徴。学科試験との類似性が高いため、学科と実技同時合格を目指す方におすすめです。

学科をしっかり学んでおけば4割程度は正解でき、残り6割も出題傾向に慣れれば比較的容易に解けるようになるでしょう。

学科と実技を並行して学習すると、理解が浅い部分を補強できるメリットもあります。

また、きんざいに比べて計算自体が簡単なので、計算に苦手意識がある方にもおすすめ。

学習範囲が広い点、問題数が多いのでスピード感が重視される点には注意が必要でしょう。

2.【きんざい】個人資産相談業務

きんざい個人は2番目に人気の実技試験。1番人気のFP協会と同じく個人を対象とする内容の問題が出題されます。

FP協会と「日常に役立つ」という点で共通するため、どちらにしようか迷っている方も多いでしょう。

FP協会との大きな違いはリスク(保険)分野の出題がない点。

また、きんざい個人は「問題数が少ない分、深い内容を問われる」「計算が複雑」などの特徴があります。

たとえば、年金分野の場合。

  • FP協会:ねんきん定期便(毎年誕生日前に送られてくるハガキ)の見方
  • きんざい個人:年金計算

FP協会は資料の読み取りが多く、きんざい個人は込み入った計算問題が出題されます。

3.【きんざい】生保顧客資産相談業務

きんざい生保は生命保険や医療保険の問題が4割出題されるため、生命保険に詳しい方に向いている実技試験です。

また、金融資産と不動産分野の出題がないのも大きな特徴。

きんざい生保は3番目に人気の実技試験ですが、市販のテキストでは対応していないケースがあります。

テキストや問題集を購入する際は、対応しているかどうかチェックしましょう。

4.【きんざい】損保顧客資産相談業務

きんざい損保は、きんざい生保と出題分野は同じですが、リスク分野が損保に特化している点が特徴です。

リスク分野では、損害保険や自動車保険、地震保険、火災保険などについて出題されます。

他の実技試験と大きく異なる点は、試験回数が年に1回、9月しか実施されないこと。受験者数も0.4%と少数です。

大半のテキストが対応していないので、株式会社きんざいが発行している損保対応のテキストを使用しましょう。

5.【きんざい】中小事業主資産相談業務

きんざい中小は経営者など、富裕層や資産家を対象とする内容の問題が多く出題されます。顧客に富裕層が多い方は、仕事と関連性が深いのでおすすめです。

出題範囲はきんざい生保と同じで、試験は9月と1月の年2回。

テキストや問題集は株式会社きんざいが発行している専用のものを使用しましょう。

【FP2級】あなたにおすすめの実技試験はどれ?タイプ別に選択方法を解説

こちらでは、7つのタイプ別におすすめの実技試験を紹介していきます。

  1. 自分のため・将来のために受験したい人
  2. 苦手分野がある人
  3. 勤め先の指示で受験する人
  4. 通信講座の受講を決めている人
  5. AFP・CFP資格取得を考えている人
  6. ケアレスミスが多い人
  7. FP1級に挑戦したいと考えている人

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.自分のため・将来のために受験したい人

「お金の知識を身に付けて日常の生活にいかしたい」「教養として身に付けておきたい」と、そんな理由でFP2級を受験される方はFP協会かきんざい個人がおすすめです。

この2つの実技試験は「個人向け」のお金の知識を広く問われるからです。

特にライフプランを立てて計画的にお金の管理をしたい方は、ライフプランニング分野の出題が多いFP協会がよいでしょう。

2.苦手分野がある人

苦手分野がある方は、その分野が含まれていない実技試験を選ぶのも一つの方法です。

苦手分野別のおすすめ実技試験は次のとおり。

  • リスク(保険)分野が苦手な人:きんざい個人・きんざい中小
  • 金融資産・不動産分野が苦手な人:きんざい生保・きんざい損保

きんざい中小ときんざい損保は受験者数が少ないため「試験が毎回実施されない」「一般のテキストが対応していない」などの制約があります。

おすすめはきんざい個人かきんざい生保。受験者数が多いので、年3回の試験で毎回実施されています。

3.勤め先の指示で受験する人

勤め先がFP2級受験をすすめている場合は、実技試験の指定がないか確認しましょう。

指定がある場合は、その実技試験でないと資格手当がつかない可能性があります。

指定された実技試験を受けていなかったために、再度受験する方もいるので注意してください。

4.通信講座の受講を決めている人

通信講座を利用予定の方は、希望する実技試験が対応しているかチェックしてから契約しましょう。

FP協会の実技には対応していても、きんざいには対応していない講座が多いからです。

通信講座9社の実技試験対応状況をこの記事の「3.確実に合格を目指すなら通信講座を検討」にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

5.AFP・CFP資格取得を考えている人

国家資格であるFP2級の合格後、AFPやCFPを取得予定の方はFP協会の実技試験がおすすめです。

AFPやCFPは世界で通用する民間資格で、日本ではFP協会が認定しています。

きんざいを受験していても問題はありませんが、FP協会のほうがスムーズにAFPやCFPの認定が受けられるでしょう。

6.ケアレスミスが多い人

ケアレスミスが多い方や、せっかちな方、切り替えが早い方などはFP協会がおすすめです。

きんざいの各種実技試験は大問5題、小問15問の構成で「1問あたりの配点が大きい」「1問間違うと連鎖的に不正解になる問題が多い」などの特徴があります。

一方FP協会は大問10題、小問40題という構成なので、ミスをしても1問当たりのダメージが少なくてすみます。

どちらにしようか迷ってしまったら、Webサイトでそれぞれの過去問をチェックしてみましょう。

7.FP1級に挑戦したいと考えている人

FP1級の受験を考えている方は、きんざい中小がおすすめです。

きんざい中小は富裕層向けの問題が多いのですが、実はFP1級も富裕層や資産家向けのコンサルティングを前提とした問題が多いからです。

きんざい中小の実技は、FP1級の試験対策として役立つでしょう。

下記の表はFP2級の実技試験を選択する際の参考としてご活用ください。

【FP2級実技試験5種類の特徴】

FP協会 きんざい
資産設計 個人 生保 中小 損保
受験者数
(人気度)
試験
回数
学科との
類似性
AFP・CFP
との関連
FP1級
との関連

【FP2級実技対策】最短で合格を目指す!おすすめの勉強方法

FP2級の実技試験対策として、有効な勉強方法はあるのでしょうか?

こちらでは最短で合格を目指すための、おすすめの実技試験対策方法について、以下2つの項目で解説していきます。

  1. 過去問に重点をおく
  2. 計算も手を抜かずに取り組む
  3. 確実に合格を目指すなら通信講座を検討

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.過去問に重点をおく

FPの実技試験対策は、過去問など問題練習に重点をおいて何度も繰り返し学習しましょう。

学科も過去問が大切ですが、インプットだけでもある程度の点数は稼げます。

しかし実技はほとんどの問題において「手順」を身に付けておかないと手も足も出ません。

問題を見たら反射的に解き方が思い浮かぶようになるまで、何度も繰り返し問題練習をしましょう。

2.計算も手を抜かずに取り組む

実技試験の問題練習を行う際は、計算も手を抜かずに取り組みましょう。

解答手順さえ覚えれば何とかなりそうな気がするのですが、実際に手を動かして解いてみると、意外なところで間違うことに気付きます

電卓を早く打つ練習にもなるので、毎日問題を解いて計算慣れしておきましょう。

3.確実に合格を目指すなら通信講座を検討

せっかく時間をかけて勉強するのですから、できればストレートで合格したいですよね。

しかし、実際にFP2級の問題を解いてみると、3級より格段に難しく感じるはずです。

学習時間も3級より多く必要なのは、テキストの厚さを見ても一目瞭然。

独学での学習に自信が持てない方は通信講座の受講をおすすめします。

不合格を繰り返して時間をムダにするより、ずっとコスパも良いでしょう。

下記の表を参考にぜひ検討してみてください!

【通信講座9社のFP2級実技試験対応状況】

FP協会 きんざい
資産設計 個人 生保 中小 損保
スタディング × × ×
フォーサイト × × × ×
ユーキャン × × × ×
クレアール × ×
アガルート × × ×
ECCビジネススクール × × × ×
TAC × × ×
資格の大原 × ×
LA × × ×
LEC東京リーガルマインド × × ×

※△はテキストのみ対応

結論、実技試験は自分に合ったものを選ぶのが一番。具体的な目的がない場合は、FP協会きんざい個人がおすすめです。

ぜひこの記事を参考に、自分にあった実技試験を選んでFP2級合格を目指してください!