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【完全攻略】簿記2級の工業簿記で得点する方法!難しい理由・理解のポイント・勉強のコツを解説

「工業簿記って何?」
「工業簿記って難しい?」
「工業簿記における勉強のコツが知りたい」

そんなお悩みを解決します。

簿記2級の場合、3級では登場しなかった工業簿記という新たな学習内容が加わります。そのため、勉強方法や学習時間が分からない人も多いのではないでしょうか。

工業簿記の勉強にはちょっとしたコツがあり、きっちりと掴んでおけば得点源にできます。

そこで、今回の記事では、

  • 工業簿記とは?
  • 工業簿記が難しいと感じる理由
  • 工業簿記の勉強のコツ
  • 工業簿記を理解するためのポイント

と、簿記2級の工業簿記について丁寧に解説します。

この情報を知っておけば、試験で高得点が狙えたり、満点という奇跡が起きたりすることも可能性として十分にあります。

ぜひ、この記事を参考に、理解を深めて合格を目指しましょう!


簿記2級の工業簿記とは!概要をサクッと解説

2級の工業簿記の概略は受験する人にとって、とても気になるところですよね。

こちらでは、3つのポイントについて解説します。

  1. そもそも工業簿記とは
  2. 試験範囲
  3. 目安となる勉強時間

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.そもそも工業簿記とは

工業簿記とは、自社で製品を造る工業経営を対象とする簿記のことです。

商品を販売するまでの流れは、以下の通りとなります。

  • 仕入れ
  • 製造・加工
  • 販売

商業簿記とは違い、最大の特徴は製造する過程が加わることです。

工業簿記は、製造業の現場で主に使われ、自社の工場で製造した製品の正しい原価を算定する際に用いられます。

また、原価の計算は、経営意思決定などの内部管理用の資料とするために、製品が出来上がったら、出来る限り早くその計算結果を知りたいというニーズがあります。

そのため工業簿記は、毎月行う月次決算であることも押さえておきましょう。

2.試験範囲

試験範囲は、5つの大問のうち大問4と5で出題され、配点は100点満点のうち40点分です。商業簿記との違いを以下の表にまとめました。

  出題範囲(全5つの大問) 配点(合計100点) 特徴
工業簿記 大問4、5 計40点 狭く深い範囲の出題
商業簿記 大問1、2、3 計60点 広く浅い範囲の出題

出題範囲については、以下のものが挙げられます。

  • 工業簿記の構造
  • 材料費
  • 労務費
  • 経費
  • 製造間接費
  • 個別原価計算
  • 総合原価計算
  • 標準原価計算
  • 直接原価計算
  • CVP分析
  • 本社工場会計

工業簿記は出題範囲が限定されているため、各項目をきっちりとマスターしておくことがポイントです。

ただし、2022年度より個別原価計算と総合原価計算の項目で、内容が追加される予定です。受験前には、日本商工会議所のホームページをチェックしましょう。

3.目安となる勉強時間

工業簿記の勉強時間の目安としては、100時間~175時間程度です。

簿記2級の学習時間は独学の場合250〜350時間、予備校を使った場合200〜250時間と言われています。ただし、3級の知識を持っている場合の時間なので、知識がなければさらに時間が必要です。

商業簿記に比べ配点が少ない工業簿記に、学習時間の半分を使うのには、理由があります。それは商業簿記に比べて、工業簿記の方が簡単であることが多く、得点に対する学習効果が非常に高いからです。

もし、工業簿記で40点のうち9割近く得点できれば、商業簿記は半分程度の正解で合格点に到達できます。

資格試験は合格することが目標なので、いかに効率的にできるのかを考えて勉強する方が賢明な作戦と言えるでしょう。


簿記2級の工業簿記が難しいと感じる理由3選

2級の工業簿記が難しいと感じてしまう気持ちはよくわかります。

僕も学習していたときは、理解しにくいと思うところがあり難しいと思っていました。工業簿記の内容に苦手意識を持つ人は多いのではないでしょうか?

こちらでは、工業簿記が難しいと感じる理由を3つ紹介します。

  1. 暗記だけでは解けないから
  2. 資料から読み取る技術が必要だから
  3. 全体像をつかめないために、今何をしているのかわからなくなるから

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.暗記だけでは解けないから

商業簿記のように、勘定科目や仕訳の暗記だけでは解けません。内容を理解し、問題の解き方を押さえる必要があります。

とにかく工業簿記は、アウトプットを積まないとなかなか解けるようになりません。一番大切なのは、問題を解く経験や慣れです。数学が苦手だからと諦める必要はありません。

理解と問題の解法習得に重点を置き、学習しましょう。

2.資料から読み取る技術が必要だから

工業簿記では、資料の読み取りスキルが必要になります。なぜなら情報を正確に引き出し、仕訳や計算を行うからです。

例えば、出題される資料として以下が挙げられます。

  • 製造指図書
  • 原価計算表
  • 部門費の配賦基準表
  • 生産実績や販売実績のデータ
  • シュラッター図

そして資料を読み取り、以下の作業を行います。

  • 金額の計算
  • 表や報告書の完成
  • 差異分析の実施

ぜひ、きっちりと読み取れるように訓練しましょう。

3.全体像をつかめないために、今何をしているのかわからなくなるから

工業簿記が難しいと感じる理由は、全体像がつかめず「今、何をしようとしているのか」がわからなくなるためです。

僕も実際に勉強していたときは、同じような経験があります。完全に暗記しようとしていたのが失敗でした。全体像をつかんで、どこの製造過程の話をしているかを把握できた瞬間から、理解のスピードが速かったです。

何かを記憶して覚えるという感覚より、全体の流れを把握し慣らしていく感覚を身につけましょう。

簿記2級の工業簿記を理解するための5つのポイント

2級の工業簿記を理解するために、どのような点を押さえる必要があるのでしょうか?

こちらでは、5つのポイントについて解説します。

  1. 商業簿記との共通点を押さえる
  2. 商業簿記との相違点を押さえる
  3. 製造している場面をイメージする
  4. 原価とは何かを理解する
  5. 勘定連絡図の役割を把握する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.商業簿記との共通点を押さえる

工業簿記は一見すると特殊な内容に思えてしまいますが、商業簿記との共通点も多いです。

商業簿記の基礎を知らずに、いきなり工業簿記を始めると理解しにくくなります。なぜなら商業簿記で学習する専門用語や帳簿の見方などが分からないためです。

知識が全くない状態から勉強するなら、あらかじめ商業簿記の基本を学んでから工業簿記に取り組んでみてください。

商業簿記と工業簿記の共通点を押さえて、効率よく学習を進めましょう。

2.商業簿記との相違点を押さえる

工業簿記と商業簿記の共通点を見つけたら、今度は異なる点を意識しながら勉強しましょう。

具体的には、以下の相違点が挙げられます。

  • 会社ではなく工場が中心
  • 図を書いて問題を解く
  • 工業簿記特有の勘定科目がある

勉強することで、工業簿記の学習にはどんな点に気を付ければ良いかが分かってきます。

工業簿記は商業簿記よりも出題範囲が狭いといっても、勉強内容が少ない訳ではありません重点を置くべき場所を間違えてしまうと無駄に学習時間がかかってしまうこともあるので気を付けましょう。

3.製造している場面をイメージする

工業簿記は、企業の中で製品をつくります。製造の場面をイメージすることで、理解が深まりやすいです。

ただ出てきた問題を解くだけでなく、企業が製品を作るひとつひとつの工程に対してこれは何のために何をしているのか」を意識することでさらに理解が深まります。

例えば製品が完成するまでの流れを料理や工作など、自分の身近なイメージのものに置き換えることで理解しやすいでしょう。

4.原価とは何かを理解する

工業簿記を勉強するにあたって原価に関する理解は避けて通れません。原価とは製造活動や経営活動にかかった費用です。

原価は以下の3つに分類できます。

  • 製造原価︰工場における製品の製造活動に要した原価
  • 販売費︰営業所における製品の販売活動に要した原価
  • 一般管理費︰本社における企業全般の管理活動に要した原価

ぜひ、きっちりと押さえておきましょう。

5.勘定連絡図の役割を把握する

勘定連絡図とは材料を購入後、加工し製品にするまでの勘定の流れをまとめた図のことです。

勘定連絡は、簡単にまとめると以下の流れになります。

「材料費・労務費・経費」→「仕掛品・製造間接費」→「製品」


勘定連絡図が分かっていないと工業簿記を理解できないため、試験問題が解けません。最重要ポイントのため、何度も図を書いて流れをきっちりと覚えるようにしましょう。

簿記2級の工業簿記における勉強のコツ4選

初めて工業簿記を学習する人にとっては、勉強のコツについて気になる人も多いのではないでしょうか?

こちらでは、以下4つの項目を解説します。

  1. 暗記ではなく理解する
  2. どの部分を学習しているか意識する
  3. 勘定連絡図を書いて問題を解く
  4. 何度も過去問を解く

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.暗記ではなく理解する

工業簿記では「狭く深く」がキーワードです。そのため、各取引の内容の理解に重点を置くのがポイント。簿記3級や2級の商業簿記とは違い、暗記だけで勝負に挑むのは不可能です。

常に「なぜこの公式を使うのか?」「なぜこのような計算になるのか?」などと理由を考えることによって、工業簿記のパターンを理解することにつながります。

工業簿記ではとにかく暗記ではなく、理解することに努めましょう。

2.どの部分を学習しているか意識する

工業簿記は、商業簿記のように「漠然と用語や仕訳を使えば解けるでしょ」といった考え方でのぞむと、問題が解けません用語や公式を整理整頓して頭に入れる必要があります。似ている用語や公式を間違って使ってしまったり、仕訳や計算のミスをしたりする可能性も増えるでしょう。

そこで、各出題項目全体の手続きの流れを理解することからスタートします。大事なことは都度「今、自分はどの出題項目のどこを学習しているのか」を意識して学習することです。

もし内容が分からない場合には、テキストを戻っておさらいしてみてください。最初は時間がかかるものの、慣れてくればテキストを見返すことなく、頭の中で整理されます

学習している箇所をきっちりと意識しましょう。

3.勘定連絡図を書いて問題を解く

とにかく勘定連絡図を書くことがとても重要です。工業簿記における地図といっても過言ではありません。

目的地に行くときに地図がなければ、到達は難しいです。問題を解くときに頭の中だけで考えていても答えが出ることはありません。これは、地図を見ずに「どの道を通って目的地に行けばいいのか」と右往左往するほど滑稽なこと。

きっちりと手を動かして、勘定連絡図を書くことによって視覚的に分かり、流れが掴めます。その結果、仕訳問題や計算問題が解きやすいです。

問題を解くときは必ず、勘定連絡図を書くようにしましょう。

4.何度も過去問を解く

工業簿記は商業簿記と比べて範囲が狭く、出題パターンが限定されています。そのため、過去問を徹底的に利用して出題パターンを押さえることが大切です。

過去問を解く目安に関しては、最低でも3年分の過去問を解いておくことをおすすめします。ある程度の出題パターンを押さえられ、実際の試験の練習にもなります。


とにかく繰り返し過去問を解くようにしましょう。

ぜひこの記事を参考に、工業簿記を理解し、簿記2級の合格を目指してみてください!