「簿記とFPの違いを知りたい」
「簿記とFPはどっちを取るべき?」
「ダブルライセンスは必要?」
そんなお悩みにお答えしていきます。
簿記とFPは、それぞれお金に関する専門知識が身につく人気資格です。
しかし、それぞれの資格がどのように生活に役立つのか、違いを理解していない方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では
- 簿記とFPの概要
- 簿記とFPの違い
- 簿記とFPどちらを取るべきか
- 簿記とFPのダブルライセンスのメリット
- 簿記とFPを同時に合格するコツ
- 簿記とFPのおすすめ勉強法
と、簿記とFPそれぞれの特徴について詳しく解説します。
ぜひこの記事を参考に簿記とFPの知識を身につけ、資格取得を目指してみてください!
Contents
簿記とFPについてサクッと解説
そもそも簿記とFPは、どんな資格なのでしょうか?
こちらでは、簿記とFPの概要について、以下2つの項目で解説していきます。
- 簿記とは
- FPとは
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.簿記とは
簿記とは、「帳簿に記入する」を訳した名称。会社のお金や物の出入りを帳簿に記録し、財務状況や経営成績をまとまる技術です。
帳簿に記録する内容の例としては、以下のようなものがあります。
- 社員に給与を払った
- 商品を販売した
- 銀行から融資を受けた
簿記は、会計の基礎知識として世界規模で使われています。新しく代替されることなく一生使える技術です。
簿記の知識は、最もメジャーな日商簿記検定の資格取得で身につきます。
簿記については関連記事「【確実に役に立つ】簿記を学ぶメリット16選!唯一のデメリットも紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

2.FPとは
FPとはファイナンシャル・プランナーを訳した名称。
人生の夢や目標を達成するためには、お金が必要不可欠です。必要なお金を貯めるための資金計画をたて目標達成を目指すファイナンシャル・プランニングの知識を有する人をFPといいます。
FPには、以下のような知識が求められます。
- 金融
- 税制
- 不動産
- 保険
- 相続
- 年金
FPはさまざまなお金に関する知識を使い、家計相談や老後の生活などの相談に対応します。
FPの知識を身につけるには、FP技能士の取得がおすすめ。FP関係の資格にはFP技能士の他にもAFPやCFPがあります。それぞれAFPはFP技能士2級程度、CFPはFP技能士1級程度の難易度です。
簿記とFPどっちが取得しやすい?違いを解説
簿記とFPにはどのような違いがあるのでしょうか?
こちらでは、簿記とFPの違いについて、以下3つの項目で解説していきます。
- 受験資格
- 合格率・難易度
- 学習時間
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.受験資格
簿記には、受験資格はありません。いきなり最も難易度が高い1級の受験も可能です。
しかし、FPには受験資格があり、以下にまとめました。
級 | 受験条件 |
1級 | ①FPの実務経験5年以上 ②2級合格者で実務経験1年以上 上記、いずれかの該当者 |
2級 | ①3級の合格者 ②FPの実務経験2年以上 ③日本FP協会認定研修の修了者 ④厚生労働省認定の金融渉外技能審査3級の合格者 上記、いずれかの該当者 |
3級 | なし |
簿記に比べFPには受験条件があり、FP1級は実務経験がないと受験できないため、一般の方の受験は難しいです。
2.合格率・難易度
簿記とFPそれぞれの合格率を以下にまとめました。
1級 | 2級 | 3級 | |
簿記 | 10%前後 | 20%前後 | 50%前後 |
FP | 10%前後(学科) | 40%前後 | 70%前後 |
簿記試験は暗記ではなく、技術が求められるため難易度が高く合格率が低めになっています。受験する回によっては著しく合格率が下がる場合があります。
FP試験は実技と学科に分かれており、各級学科試験の方が合格率は低いです。
FP試験の主催には、金融財政事情研究会と日本FP協会の2つがあり、それぞれ合格率に差があります。
3.学習時間
一般的に合格するために必要な学習時間は以下の通りです。
1級 | 2級 | 3級 | |
簿記 | 600時間 | 400時間 | 200時間 |
FP | 500時間 | 200時間 | 100時間 |
簿記は上位級を受験する際、下の級の知識がないと勉強時間が増えます。
仮に3級の知識がない人が2級を受験するなら500〜600時間必要です。
それぞれの級の学習時間からも簿記の難易度がFPより高いことが分かります。
簿記とFPどっちをとるべき?簿記がおすすめな人
簿記とFPではどちらを取得するべきなのでしょうか?
こちらでは、簿記がおすすめな人について、以下3つの項目で解説していきます。
- 事務・経理で働きたい
- ビジネスで活かしたい
- 企業分析を行いたい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.事務・経理で働きたい人
簿記の資格を持っていると入社の際に評価され優遇されやすいです。
特に2級以上の資格保有者は、未経験でも事務・経理に採用される可能性もあります。実際、経理で働いていても全員が簿記の資格を持っていません。
近年、経理や事務はAIに代替されてしまう職業と言われています。
しかし1・2級の資格では、企業分析もしていくため会社の業務改善などもできるようになります。そのため希少価値の高い人材として今後も活躍していけるでしょう。
2.ビジネスで活かしたい
自身の会社や個人事業主としてビジネスをする際、会社のお金の管理ができるようになります。
簿記は、株式会社のお金の管理ができるようになる資格です。
近年では、副業ワーカーやフリーランスとして働く人が増えています。個人ビジネスの利益に対しては、個人で確定申告を提出する必要があります。
その際に、簿記で身につけた複式簿記の知識を用いると、青色申告で確定申告ができます。青色申告では最大65万円の控除が利用できるため、納税額が減りお得です。
また、ビジネスが大きくなり税理士に相談する際にも、簿記の知識があると内容を理解できるため、スムーズに話が進みます。
ビジネスをしている方、これから始めようと考えている方は、ぜひ簿記の取得を検討してみてください。
3.企業分析を行いたい
簿記の知識を身につけると、企業の業績を判断できるようになります。
なぜなら、簿記の知識があれば決算書を読めるため、決算書をもとに企業分析をする力が身につくためです。
企業分析を行えるようになると株式投資をする際に、企業の状態を適切に判断できます。
また、転職をする際にも転職先の業績を把握できるため、利益があまり出ていない待遇の悪い会社を選ぶリスクが減ります。
簿記は会社勤めでも、個人のビジネスでも活かせる優良な資格といえるでしょう。
簿記とFPどちらが必要?FPがおすすめな人
FP資格の取得がおすすめな人は、どんな人なのでしょうか?
こちらでは、FPがおすすめな人について、以下3つの項目で解説していきます。
- 金融・保険・不動産業界に就職したい
- 家計の資金計画の知識を身につけたい
- ファイナンシャル・プランナーになりたい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.金融・保険・不動産業界に就職したい
FPは銀行や保険の営業などで、役立つ資格です。特に個人に営業をする職場で求められている資格の一つとなっています。
日本FP協会が実施したアンケートでは、地方銀行や証券会社でFPの取得を評価している法人は約8割。多くの法人からFPが求められています。
また、FP技能士に手当を支給している会社もあるので、勤めている会社のルールを確認しましょう。
2.家計の資金計画の知識を身につけたい
FPを取得すると、自分自身や家族の資金計画をたてられるようになります。
FPは簿記とは違い個人のお金管理の専門家です。そのため、個人で生活していく上で以下のようなお金の不安が、どんどん減っていきます。
- 資産運用の知識
- 税金全般の知識
- 将来の年金
- 入院費用の知識
- 相続の知識
一般家庭を、専門家目線で日々、家計管理できるメリットは大きいです。FP取得で知らないだけで損していたお得情報にどんどん出会えるでしょう。
3.ファイナンシャル・プランナーになりたい
やはりファイナンシャル・プランナーになり、個人家計の手助けをしていきたい方には、FP資格は必須です。
最近では、不景気や老後2000万円問題などによってお金の不安が急増し、FPの需要も高まってきています。
FPとして独立するには、資格のみならずマーケティングスキルや営業スキルなどがあれば収入を得るのは難しくないでしょう。
簿記とFPのダブルライセンスのメリット
簿記とFPをどちらも取得するダブルライセンスとは、どのようなものなのでしょうか?
こちらでは、簿記とFPのダブルライセンスについて、以下3つの項目で解説していきます。
- 転職がしやすい・昇給できる
- 資産運用についての知識がつく
- 独立後に役立つ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.転職がしやすい・昇給できる
簿記とFPのダブルライセンスは転職がしやすいです。
2級以上のダブルライセンスは、金融機関などではとても高く評価されます。そのため、転職活動では有利です。もちろん希少性が高いので、経理や事務でも役立ちます。
また、ダブルライセンスが出世の条件になっている企業もあるため、資格の保有で出世を狙える可能性も!
実際に、金融・不動産関係の求人では、募集の必須条件になっていたり、昇給や昇格の条件になっていたりします。
ダブルライセンスを取得し、人材価値の高いワーカーを目指しましょう。
2.資産運用についての知識がつく
資産運用の知識が身につき、実際に運用していけるようになります。
FPを取得することで、金融商品の種類を覚え、自身の状況やリスクにあった投資を選択できるようになります。
投資信託や株式投資の金融商品を選んだ際、簿記の知識を活かし企業分析を行えるので、適切な銘柄や投資信託を選べるでしょう。
また、FPで節税節約などを学ぶため、投資資金が溜まります。増えた資金をさらに投資すると、金融商品の伸びもどんどん加速していきます。
FPと簿記のダブルライセンスは金融商品でお金を増やしたい方には、特におすすめの資格です。
3.独立後に役立つ
個人事業主や法人化し独立した際に、FPと簿記どちらの知識も役立ちます。
FPと簿記の両視点から会社内の金銭の改善を具体的に行なっていけるからです。
簿記2級以上では、企業分析をしていくため自身のビジネスの経営状態を確認し企業分析を行っていけます。分析を行っていく上で、FPの税金の知識やリスクマネジメントを活かし会社の支出を減らしていけます。
今後、独立を考えている方は簿記とFPのダブルライセンスを検討してみてください。
簿記とFPを同時に取得する方法
まずは、それぞれの3級を受験していきましょう。
FP2級を受験するためには3級の資格が必要であり、簿記2級を受ける際にも3級を取得してからの方が、合格率が上がるためです。
最速で簿記とFPの3級を受験するためには以下の日程での受験がおすすめです。
- 簿記3級(2月)→FP3級(5月)
- 簿記3級(6月)→FP3級(9月)
- 簿記3級(11月)→FP3級(1月)
簿記を先に受験すると、FPの試験までに3ヶ月程度あります。FP3級は100時間程度の勉強で合格を目指せるので無理のない受験が可能です。
逆にFPを先に受験してしまうと簿記の試験に1、2ヶ月しかなくなってしまうため簿記が勉強不足になってしまいます。
そのため、簿記とFPを最速で取得したい方は、まず簿記の試験から受験しましょう。
簿記とFPおすすめの勉強方法
簿記とFPはそれぞれ、どのように勉強を進めていけば合格に近づけるでしょうか?
こちらでは、簿記とFPそれぞれの勉強法について解説していきます。
- 簿記はスクールがおすすめ
- FPは独学でもOK
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.簿記はスクールがおすすめ
簿記学習はスクールがおすすめです。
簿記は馴染みのない技術が必要。質問できる環境があると挫折しにくく継続しやすいです。
おすすめは、独学と通学講座のいいとこ取りの通信講座です。
通信講座では、独学のように自分のペースで学習できます。また、通学講座のように授業形式で学び、質問サービスがついているものもあります。
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2.FPは独学でもOK
FPは、暗記が多いため独学での学習でOKです。
テキストと問題集を購入し、6分野をバランスよくインプット・アウトプットしましょう。
注意点として、最新版のテキストを使用してください。
FPでは法改正が毎年されるため、中古のテキストなどでは情報が反映されていない可能性があります。独学では、必ず最新情報のリサーチを徹底しましょう。
独学が不安な方はクレアールのFP通信講座がおすすめ!
詳しくは関連記事「【2021新開講】クレアールFP通信講座の評判とは!講師・テキスト・価格の口コミを紹介【ファイナンシャル・プランナー】」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

ぜひこの記事を参考に簿記とFPのダブルライセンスを目指してみてください!