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【徹底考察】簿記3級が難しい理由5選!難易度・合格率・合格点をデータで解説

「簿記3級って独学で合格できるの?」
「どのくらい難しい?」
「合格率や難易度を教えてほしい」

そんなお悩みにお答えしていきます。

簿記3級を受験しようと考えているけれど、実際に合格できるのか心配している方も多いでしょう。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とは孫氏の兵法。戦いに勝つにはまずは敵を知ることが重要です。

試験の難易度や合格率をあらかじめ知っておくことによって、心の準備ができたり、自分が必要な学習の計画を立てられたりします。

そこで、この記事では

    • 簿記3級の難易度・合格率・合格点を紹介
    • 簿記が難しいと感じる5つのポイント
    • 簿記3級の学習手順5STEP

と簿記3級の難易度について詳しく解説します。

さらに、独学で合格できるかどうかについても紹介。

ぜひ、この記事を参考に簿記3級について知り、今後の学習に役立ててください。

簿記3級は難しい?難易度・合格率・合格点をサクッと解説

そもそも簿記3級とはどんな試験なのでしょうか。

こちらでは、簿記3級の基本情報について確認していきます。

  1. そもそも簿記3級とは
  2. 簿記3級の合格点
  3. 簿記3級の合格率
  4. 簿記3級の難易度
  5. ネット試験の合格率・難易度

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.そもそも簿記3級とは

簿記3級は、日本商工会議所が主催する資格試験の1つ。小規模の株式会社を会計取引を学べる、簿記の入門資格です。

ビジネスパーソンの一般教養としても人気で、会社の研修に取り入れられることも。「経理に配属されたら、とりあえず勉強」が推奨される、会計の入り口として位置づけられる資格です。

世間からのニーズも高く、履歴書に書けたりお金に関する意識が高まったりと、難易度に比べてメリットの大きいお得な資格ですよ。

2.簿記3級の合格点

簿記3級の試験は以下の要領で実施されます。

  • 主催者:日本商工会議所
  • 試験日程:筆記試験は毎年2月・6月・11月の年3回
  • 受験料:2,850円
  • 試験時間:2時間
  • 合格基準:正答率70%以上

簿記3級は100点満点中70点以上で合格です。

得点は絶対評価。受験と違って、合格者の定員が決まっているわけではないので、しっかり勉強すれば必ず合格できます。

3.簿記3級の合格率

直近では以下の合格率になっています。

受験回 受験日 合格率
158回 2021年6月13日 28.9%
157回 2021年2月28日 67.2%
156回 2020年11月15日 47.4%
155回 2020年6月14日 中止
154回 2020年2月23日 49.1%
153回 2019年11月17日 43.1%
152回 2019年6月9日 56.1%
151回 2019年2月24日 55.1%
150回 2018年11月18日 43.8%

(出典:日本商工会議所ホームページ

試験によってばらつきはあるものの、基本的に合格率は40%〜50%を推移しています。FP3級の合格率は約70%なので、初級資格にしては難しい印象を受けるでしょう。

とはいえ、合格率をみて難易度が高いと判断するのは半分正解・半分間違いです。

なぜなら、合格率には受験して不合格になった人だけではなく、未受験の方も反映されているからです。

未受験の要因としてはさまざまなケースがあります。

  • 勉強が試験までに間に合わなかった
  • 学校や会社によって強制的に団体受験をさせられてしまい、興味もないのに申し込んだ
  • 当日に試験を受けず欠席した

こういった方たちがいるため、簿記3級の合格率は必要以上に低く出てしまう傾向にあります。

ちなみに、第158回は難問奇問が続いてガクッと正答率を落としました。試験が入門編ということを考えると、運営側も意図したことではないので、今後は是正されていくでしょう。

4.簿記3級の難易度

 

簿記3級の難易度は上昇傾向です。というのも、ここ数年で試験範囲の見直しが行われ、2級から論点がおりてきているからです。

とはいえ、難解な問題ばかりが出題されるわけではありません。70点取れれば良いので、基本問題を取りこぼさないよう、繰り返し問題を解くことで十分に合格できます。

5.ネット試験の合格率・難易度

2020年12月実施の試験より、簿記3級はインターネット受験が始まりました。新型コロナウイルスの影響で、1つの会場に多くの受験者を集めることが困難になったからです。

具体的には、簿記3級のネット試験は以下の要領で実施されます。

  • 試験日程:申し込み日の3日後〜3ヶ月後(統一試験が優先開催)
  • 受験料:2,850円
  • 試験時間:1時間
  • 出題形式:選択式(プルダウン方式)+入力式3題以内
  • 合格基準:正答率70%以上

難易度に関しては、統一試験と同じと思って対策を行いましょう

試験時間が1時間と短縮されていたり、出題形式が異なっていたりと変更点はあるものの、出題範囲は統一試験と同じです。

合格率に関しても、出題範囲が同じということもあって、統一試験と変わりませんネット試験だからといって、決して油断は禁物です。

ネット試験については関連記事「【受験者必見】簿記検定のネット試験と統一試験の違いとは!申し込み方法・練習のやり方を紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

【受験者必見】簿記検定のネット試験と統一試験の違いとは!申し込み方法・練習のやり方を紹介

簿記3級が難しい・難易度が高いと感じる5つのポイント

簿記3級は入門資格とはいえ、初めての方にとってはとっつきにくいところもあります。

こちらでは以下の5つのポイントについて解説します。

  1. 専門用語を理解するのに時間がかかる
  2. ただの暗記試験ではない
  3. 新傾向問題で難しくなっている
  4. 自己流の勉強方法で進めてしまう
  5. ネット試験の方式が特殊

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.専門用語を理解するのに時間がかかる

そもそも簿記自体が日常生活に馴染みがありません。そのため、初学者にとっては専門用語を理解するまでに時間がかかることも。

特に、初歩の初歩でつまづきやすいのは複式簿記のルールです。

収益・費用といった損益項目と、資産・負債・純資産といった貸借科目をまぜこぜにしても、最終的に決算書が出来上がるというのは、考えれば考えるほど混乱してくるはず。

わからないからと言って立ち止まってしまうと挫折につながるので

  • インプットには時間をかけず、スピーディに進める
  • 2回目・3回目…のテキスト通読を間隔をあけずに行う

などと学習計画を立ててから進めていくのがおすすめです。

2.ただの暗記試験ではない

近年の試験問題は、用語を暗記しているだけでは得点に結びつきにくいという傾向があります。会計取引を暗記するよりも、簿記の仕組みをきっちりと理解していることが重要視されているのです。

というのも、仕事上で教科書とまったく同じ取引が発生するのはまれだからです。

金額が大きくなったり、手数料や送料などほかの要素が絡んできたりしたら歯が立たない…という状態ではを実務を任されたとき困ってしまうでしょう。

基本的な取引をインプットしたら問題演習をたっぷり行って、応用できる知識にしていきましょう。

3.新傾向問題で難しくなっている

最近の簿記3級の試験では実務重視の問題を反映させるべく、新傾向問題が出るようになってきました。

実際、次のような理由から非常に対策しにくくなっています。

  • 新しく出題された問題なので過去問に載っていない
  • 出題実績がないので暗記学習では対応できない
  • 簿記の仕組みを理解していないと問題が解けない
  • 取引のイメージが持てていないと問題文の意味がわからない

なるべく最新版のテキストを使ったり、新しい情報を取り扱っている講座を選んだりして、対策環境を整えましょう。

4.自己流の勉強方法で進めてしまう

簿記の学習で失敗してしまう原因の1つに勉強の順番ミスがあります

たとえば、最短最速で合格しようと過去問から手を付け始めようものなら、かなり危険。

基礎が身についていないと、そもそも問題文の意味がわからなかったり、根拠のないマイルールを作って問題を解くようになってしまったりするでしょう。

自己流だと間違いがなくならないので、合格点に届きにくくなってしまいます。

テキスト序盤に書いてある学習の進め方をしっかり読み込んだり、講座から提供される学習手順に従って勉強を進めたりしましょう。

5.ネット試験の方式が特殊

簿記3級を難しく感じる要因としてネット試験が挙げられます。

統一試験と異なる点は以下のとおりです。

  • パソコンを使って解答する
  • 自分の筆記用具を持ち込めない
  • 問題に書き込みが出来ない

問題の要点を書き写しながら解答を作っていくことはぶっつけ本番では難しいので、事前に対策しておく必要があるでしょう。

簿記3級は難しくない!学習の手順5STEP

簿記3級はどのように学習していけば良いのでしょうか。

こちらでは、学習しやすいように5つの手順で解説します。

  1. 簿記を理解する
  2. 簿記一巡を理解する
  3. 勘定科目を暗記する
  4. 仕訳のルールを覚える
  5. 集計のルールを覚える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.簿記を理解する

個別の会計取引を覚える前に、複式簿記の仕組み・ルールを身につけましょう。専門用語に触れ、徐々に簿記の感覚に慣れていくことが大切です。

用語解説
  • 仕訳:取引の要素を左側と右側に分類し、帳簿に記載すること
  • 勘定科目:仕訳に使われる分類項目・ラベルのこと
  • 借方:仕訳の左側(資産・費用のホームポジション)
  • 貸方:仕訳の右側(負債・純資産・収益のホームポジション)

はじめから全てを理解するのは難しいもの。何度も繰り返し学習して、自然に腹落ちする瞬間を待ちましょう。

2.簿記一巡を理解する

簿記の基礎知識を理解したら、次のステップは簿記全体の作業の流れ(簿記一巡)を把握することです。

簿記一巡
  1. 取引の仕訳を行う:個別の取引を集計できる形に落とし込むこと
  2. 仕訳を総勘定元帳に転記:勘定科目ごとに集計すること
  3. 試算表の作成:簡易的な表に集計結果をまとめること
  4. 決算整理の実施:決算でしか行わない仕訳を入れること
  5. 財務諸表の作成:決算書の形で集計結果をまとめること

試験の解答に使うのはもちろんのこと、実務にも直結する部分なので、必ず押さえておきましょう。

3.勘定科目を暗記する

仕訳でよく使用される勘定科目は頭に入れておきましょう。ぶっちゃけ3級で使う科目はそこまで多くないので、すぐに覚えられるでしょう。

以下の表に分類・科目・意味をまとめました。

分類 科目 意味
資産 現金・当座預金・売掛金など 会社が持っている財産
負債 買掛金・支払手形・貸倒引当金など 会社が負っている債務
純資産 資本金・資本準備金など 会社の純粋な財産
収益 売上・受取利息など 会社が事業活動によって得た収入
費用 仕入・支払利息など 会社が収益を得るのにかかる必要経費

同ジャンルの会計取引があったとき、勘定科目は同じものが使われます。誰がやっても同じ仕訳になるので、見たり集計したりするのに便利だからです。

試験では問題文の注釈に則り、実務では会社の規定に従い、適切な科目を選ぶようにしましょう。

4.仕訳のルールを覚える

勘定科目の各分類にはホームポジションがあります。借方・貸方どちらに科目がでてくるかによって、金額の増減を表すのです。

たとえば、資産科目のホームポジションは借方なので、現金科目が左側にでてきたときは手許現金の増加を表す、という仕組みです。

反対に、貸方に現金科目が表示されれば、手許現金は減ったという意味になります。

これが複式簿記の根幹となる部分なので、考えずとも解けるくらいまで反復学習しましょう。

5.集計のルールを覚える

会計取引を仕訳に起こしたら、最後は決算書の形にまとめていきます。とはいえ、貸借対照表・損益計算書といった対外的な報告書の形にまとめるには、ある程度時間がかかってしまいます。

ぶっちゃけ会社内で業績を確認するだけなら、かしこまった形にする必要もありません。そんなときのために、総勘定元帳・試算表といった簡易的な集計表を作成するケースが多いです。

試験では下書き用紙・電卓を使って、1つひとつ足し算していきます。ここで書き込みミスや電卓の打ちミスがあると、正しく仕訳ができていても答えが合わず、努力が水の泡になってしまいます。

試算表が出題される第3問は、簿記3級の鬼門なので、きっちり対策してから臨みましょう。

独学は難しい?簿記3級の勉強方法3選

簿記3級にはどのような勉強方法があるのでしょうか。

こちらでは、以下の3つの方法について解説します。

  1. 独学
  2. 通学講座
  3. 通信講座

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.独学

独学は、最もお金のかからない勉強方法です。Amazonでテキストを揃えれば、いますぐ勉強が始められるというお手軽さがあります。

ただし、独学には2つの注意点があります。

  • 学習が非効率的で時間がかかってしまう
  • モチベーションを自分で上げる必要がある

がっつり受験勉強を経験し、独学する下地が整っている方にはぜひおすすめの方法です。

独学での学習方法については関連記事「【初心者向け】簿記3級の独学方法5STEP!勉強の進め方・必要な時間や期間・学習スケジュールを紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

【初心者向け】簿記3級の独学方法5STEP!勉強の進め方・必要な時間や期間・学習スケジュールを紹介

2.通学講座

通学講座では、学校のようなライブ形式の授業が行われます。予備校によっては有名講師がいたりして、口コミで人気が爆発していることも。

実際、講座の中でも試験に出題される重要論点は詳しく説明をしてくれるので、学習内容が定着しやすいです。

とはいえ、通学講座では場所や時間が限定されるというデメリットも。受講費用も他の勉強方法と比べて高額です。

予算やライフスタイルと相談して、定期的に通えるかどうか判断する必要があるでしょう。

3.通信講座

独学と通学講座のいいとこ取りで、ハイブリッドな学習法が通信講座です。

独学だと、学習効率が悪くなったりモチベーションを保つのが難しい特徴があります。しかし、通信講座の場合、最短で効率よく学習できたり、学習サポートや受講生同士で繋がれたりするのがメリットです。

また、通学講座だと実際にスクールに出向かないといけません。その点も、通信講座の場合、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスさえあればいつでもどこでもスキマ時間で学習が可能なのでクリアできます。

たとえば、簿記通信講座の大手クレアールは、コスパが良いことで有名。口コミ・評判については関連記事「【徹底分析】クレアール簿記通信講座はコスパが良いと評判!講師・テキスト・価格の口コミを紹介」にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!

【徹底分析】クレアール簿記通信講座はコスパが良いと評判!講師・テキスト・価格の口コミを紹介

ぜひこの記事を参考に、簿記3級の勉強を始めてみてくださいね!