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簿記3級は難しすぎな傾向あり!概要や対策を確認しよう【第158回のデータも紹介】

「簿記3級って難しすぎるの?」
「なぜ、難しすぎると言われるの?」
「他の資格と比べても3級のほうが難しいの?」

そんなお悩みを解決します。

簿記3級は会計の入門資格の位置づけとはいえ、簡単な試験でなくなってきているのが事実

初学者にとっては「2級と難易度が大して変わらないのでは…」と思ってしまうほど難しいです。そのため、3級を下位資格と侮ると残念な結果になります。

そこで、今回の記事では、

  • 3級の概要
  • 第158回の3級の合格率データ
  • 第158回が難しすぎた理由4選
  • 3級が難しすぎるときの6つの対策

と、3級の難しすぎる理由や、その対策について解説していきます。

ぜひ、傾向を知って合格を目指しましょう!

そもそも簿記3級は難しい?概要をサクッと紹介

3級が難しいかどうかを知るには、概要について理解しておかなければなりません

こちらでは3つの項目について解説します。

  1. 合格率の平均は50%前後
  2. 正答率は70%以上が合格ライン
  3. ほかの専門資格の入門試験と比べてもそこまで大差ない

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.合格率の平均は50%前後

3級の合格率は50%前後を推移しています。

あくまで、実際の受験者に対する合格者の割合です。申し込みをしても、受験しない人が一定数存在します。

さらに、学校や仕事の関係でなんとなく受験したり、十分な対策をせずに挑戦したりする人もいます。

簿記の学習に身が入っていない受験生が全体の合格率を下げている側面があるため、合格率を気にする必要はないでしょう。

2.正答率は70%以上が合格ライン

3級の合格点は100点満点中70点。そのため、7割以上の正解を目指す必要があります。

とはいえ、試験では基本的な知識を問われることが多いです。また計算が必要とされる問題では電卓の使用が認められています。

そのため、時間配分が適切であれば、十分に7割の正解を目指せる試験でしょう。

3.ほかの専門資格の入門試験と比べてもそこまで大差ない

簿記3級の難易度と比較されるのが、以下2つの試験です。

  1. FP3級
  2. ITパスポート

それぞれ見ていきましょう。

1.FP3級

FPはファイナンシャル・プランナーの略で、簿記と同様に3級から1級まであります。FP3級の偏差値は37と簡単ですが、勉強しなくても合格できるわけではありません。

出題範囲は、以下の通りです。

  • ライフプランニング
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産

非常に範囲が広く、出てくる数値も細かいです。1つ1つ覚えていく必要があります。さらに言いまわしも難しく、法律の知識も必要です。そのため、簿記の方が難しいとは、一概に言い切れません。

どちらもお金に関する資格なので、取得する目的によって簿記かFPかを決めましょう。

以下のような業界に就職したい方や、ファイナンシャルプランナーを目指されている方は、FPがおすすめです。

  • 金融
  • 保険
  • 不動産

一方、事務や経理で働きたい方や、ビジネスをする際に活かしたい方は簿記がいいでしょう。

FPについては、関連記事「【経験者が語る】簿記とFPはどちらも取得するのがおすすめ!ダブルライセンスのメリットと資格の違いを解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

【経験者が語る】簿記とFPはどちらも取得するのがおすすめ!ダブルライセンスのメリットと資格の違いを解説

2.ITパスポート

ITパスポートとは、IT系国家資格の登竜門として人気の資格です。

受験者数は、簿記同様毎年10万人ほどいます。合格に必要な偏差値は45、合格率は5割と簿記3級と同水準です。そのため、難易度は簿記3級と同程度と言えるでしょう。

ただしITパスポートと簿記3級では、試験範囲と受験形式に大きな違いがあります。

  試験範囲 受験形式 受験日
簿記 会計に特化した内容 計算が中心 年3回(2、6、11月)
ITパスポート ITの知識を広く浅く 暗記が中心 いつでも受験可能

ITパスポートは、基本的にIT知識を浅く広く学習する試験です。深くは学習しないものの、専門的な知識や用語が出ます。そのため、取り組みにくい印象です。

2つの資格は、違いがはっきりとしている点を、頭に入れておきましょう。

【データで見る】簿記3級が難しすぎ!第158回の合格率を確認してみよう

第158回の簿記3級の試験は難しすぎたと話題データで確認すると一目瞭然です。

  1. 第158回簿記3級の合格率が異常に低い
  2. 過去にも合格率が低い受験回はあった

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.第158回簿記3級の合格率が異常に低い

第158回簿記3級の合格率は、28.9%。過去10回分の合格率は、以下の通りです。

第159回 27.1%
第158回 28.9%
第157回 67.2%
第156回 47.4%
第155回 中止
第154回 49.1%
第153回 43.1%
第152回 56.1%
第151回 55.1%
第150回 43.8%

出典:日本商工会議所の公式サイト 3級受験者データ

合格率が50%程度の試験において、28.9%と数年では見かけない数値となりました。また、第101回から第158回までみても過去7番目の合格率の低さです。

2.過去にも合格率が低い受験回はあった

合格率が低く難しい簿記3級は、158回の試験に始まったことではありません

合格率が30%未満の試験を対象に、低い順番に並べると以下の通りです。

  • 第107回:13.7%
  • 第111回:21.9%
  • 第141回:26.1%
  • 第142回:26.6%
  • 第103回:27.8%
  • 第125回:27.9%

2004年6月実施の第107回にいたっては20%を切ってしまう難関な試験であったことが分かります。

簿記3級の第158回試験が難しすぎた理由3選

第158回の試験が難しすぎた理由には、以下の3つがあります。

  1. 大問2の正答率が低かった
  2. 試験範囲の見直しで2級から論点がおりてきた
  3. 計算用紙が切り離せなくなった

それぞれの詳細をみていきましょう。

1.大問2の正答率が低かった

大問2に関しては、悪評が見受けられました

かなり意地悪な問題が出題されたと言えます。なかには答えを書かず空欄で提出した方もいるほどです。

具体的な問題については、残念ながら公表されていません。コロナウイルスの関係で試験が2部制に変更。試験問題の持ち帰りが不可となり、公表もされなくなったためです。

大問2を落としてしまうと、他の問題をほぼ全て正解する必要があります。合格率が低い原因の1つと言えるでしょう。

2.試験範囲の見直しで2級から論点がおりてきた

簿記では数年に一度改訂が行われています。3級にも影響が出ているのは間違いありません。

範囲の見直しによって2級から3級へ変更になった論点は主に以下の通りです。

  • 電子記録債権・電子記録債務
  • クレジット売掛金

元々は上位資格の学習内容だったので、難しいと感じてしまうのも無理はありません。

とはいえ、3級の内容をそれぞれ掘り下げたものです。以下のように、3級の論点の延長にあると考えれば、理解しやすいでしょう。

  • 電子記録債権・電子記録債務→受取手形・支払手形
  • クレジット売掛金→売掛金

近年、インターネットでやりとりをする企業も増え、クレジット取引も身近なものになりました。必ず押さえましょう。

3.計算用紙が切り離せなくなった

計算用紙が問題や解答用紙と一緒に冊子にとじ込まれた点も難しく感じてしまった要因です。

これまで計算用紙は、別紙でもらえていました。しかし、2021年6月試験からは、計算用紙の切り離しができない上に、持ち帰り不可になる改悪だらけです。

受験生にとって、今までの違いに混乱してしまい、パニック状態であったに違いありません。僕が、この回を受験していても困惑していたと思います。

計算用紙を切り離せなくなったことは、さぞ使いにくかったでしょう。

簿記3級が難しすぎるときの6つの対策

難しい試験は今後も出題されると予想できます。そこで、6つの対策をしておけば、テストの難易度に関係なく対応できます

  1. テキスト選びは慎重に行う
  2. 仕訳をきっちり固める
  3. スクールや通信講座を利用する
  4. 難問奇問を捨てる
  5. 大問ごとの解答時間を決めてから取り組む
  6. 難化した次の受験回を申し込む

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.テキスト選びは慎重に行う

テキスト選びが、とにかく大切です。

特に、初心者はイラスト付きで説明しているものがおすすめ。内容が頭に入りやすく、理解しやすいです。

「取引から仕訳の流れ」「仕訳から計算する方法」などが順序立てて丁寧に書かれているものが良いテキストの特徴。

ぜひ、自分に合った参考書を慎重に選びましょう。

2.仕訳をきっちり固める

仕訳は100%出来るようにすることが、簿記において必須です。

70点取れれば合格の試験であるものの、仕訳は完璧な状態にしておきましょう。全体で7割取るための最低条件だと考えても良いです。

仕訳は、簿記試験全体を通して使います。そのため、仕訳ができなければ、全ての問題が解けないと言っても過言ではありません。

とにかく問題演習を通して基礎固めをすることが大変重要です。第1問で必ず出題されるので、過去問題や模擬試験を繰り返し解きマスターしましょう。

仕訳のコツについては、関連記事「【決定版】簿記の仕訳をマスターしたい!勉強のコツ・勘定科目の覚え方を徹底解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

【決定版】簿記の仕訳をマスターしたい!勉強のコツ・勘定科目の覚え方を徹底解説

3.スクールや通信講座を利用する

「何回受けても合格できない」「理解が全く進まない」のような場合、選択肢として簿記3級を取り扱うスクールや通信講座を検討しましょう。

独学とは違い、今まで何万人といった受講者を合格に導いてきたプロ講師たちが教えます。受験生たちのつまずきやすい箇所も熟知しているのは、嬉しいですね。

受講者の分からないポイントを把握しつつ、徹底的に教えてくれるので効率的に学習するにはおすすめです。

通信講座選びについては、関連記事「【2021年下半期】簿記通信講座おすすめ人気ランキング24選!安さ・コスパ・クオリティで徹底比較」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

4.難問奇問を捨てる

問題集や過去問でさえ遭遇したことのない特殊な問題が出題された場合は、時間をかけず捨てる勇気を持ちましょう。

なぜなら100点中70点さえ取れれば、合格できる絶対評価の試験だからです。

「他の受験生が万一、解けていたらどうしよう」と不安になってしまいがちですが、効率的に合格するためには解いてはいけない問題です。

合格することが第一の目標なので、簡単な問題や確実に正解できる問題を解きましょう。

5.大問ごとの解答時間を決めてから取り組む

各大問で解く時間を事前に決めておくことが大切。その理由は、試験そのものが時間との勝負だからです。

3級の試験時間は2021年より、120分から60分に変更されています。そのため、シビアな時間管理が必要です。

タイムロスは致命傷なので、過去問や模擬試験を解くときは、大問ごとに時間配分を決め、問題に取り組みましょう。

6.難化した次の受験回を申し込む

難しかった次の回を申し込むと良いです。どうしても試験問題が簡単になる傾向にあります。

難しい試験が続きすぎると、3級の試験の難易度に変動が出てしまうためです。資格試験は、レベルを一定に保とうとするため、日本商工会議所がバランスを調整します。

仮に受験した回が難しすぎても、次は簡単な可能性が高いのでチャレンジすることがおすすめです。

ぜひ簿記3級が難しくなってきていることを理解しつつ、的確な対策を立て合格を目指しましょう。